厨房床の"困った"を解決 「どんな厨房床でも」

今年5月29日、日本経済新聞の全国版に染めQテクノロジィの1面広告が掲載された。テーマは「厨房床」のソリューション。同社が今年初頭に発売した塗り床材「どんな厨房床でも」による問題解決を提起したところ引き合いが殺到、俄然注目が高まっている。


飲食店や食品工場の床は過酷な環境に置かれている。熱湯や水によって常に湿潤状態にある他、調味料に含まれる酸やアルカリによるダメージ、油分の浸透、頻繁なブラシ洗浄など床面を傷める条件がフルに揃っている。

ガタガタになった床には食品カスなどがたまり不衛生なだけでなく、剥がれた塗膜片やコンクリート片などの異物混入の懸念も大きい。保健所の立ち入りでも真っ先に目をつけられる箇所のため、飲食店や食品工場は常に神経を尖らせている。

平滑で堅牢で衛生的な床にメンテナンスしたいのはやまやまだが、そこに立ちはだかるのが施工に要する「時間」の問題だ。

過酷な環境の厨房床ではコンクリート下層のグリ石まで露出しているケースも珍しくない。この場合、モルタルから打ち直し、プライマー→下塗り→上塗りの工程を踏むと3~4日の工期を要してしまう。このため休業日を設けなければならず営業的な損失が大きい。

また、病院のように入院患者の食事のために調理をストップできない厨房もある。健康弱者に食事を提供するので衛生的な床を保ちたいが、メンテナンスの時間が取れないという悩ましい問題に直面している。

外食チェーン、食品工場、旅館、病院、給食施設など厨房を持つあらゆる企業や施設に共通する改修メンテナンスの「時間」の問題を解決する塗り床材として市場投入したのが、厨房床に特化した「どんな厨房床でも」だ。

飲食、食品関連の総合メンテへ

同品の最大の特長は「下地処理から施工がスタートし、歩行可能になるまでのトータル時間が6時間半」(担当者)と超短時間施工を実現した点だ。

同社の床用塗料は自動車メーカーを始め各種製造業の工場床に急速に普及しており注目されている。

キーテクノロジーのナノ技術をベースにした塗り床材は「通常の塗料では入り込めない微細な隙間に浸透し、強力な密着性を示します」と技術の一端を解説。塗膜の引っ張り試験では塗膜より先に基材のコンクリートそのものが破断するほどの威力だ。また「油に反発するのではなく、塗料が油になじむことで油潤面にもしっかり密着する」など独創的な技術で「各種製造現場の床の"困った"を解決、急速に実績が広がっています」と説明する。

それらの技術に加えて今回の「どんな厨房床でも」では「古い塗膜やコンクリート片を内包しながら肉厚かつ堅牢に速硬化する技術を確立、厨房床の改修メンテナンスの問題解決を図った」と自信を示す。

同品の施工は、スチーム洗浄による軽微な下地処理→「どんな厨房床でも」をコテで流し延べ→ローラーによる防滑仕上げで施工が終了。この間、20㎡ほどの面積なら1人で2時間半ほどで仕上げられる。その後4時間ほどで歩行可能になり、トータル6時間半で施工が完了。飲食店であれば閉店後に施工に入り、翌日開店時間までの夜間作業でも余裕でおつりがくる。病院の厨房では尚更だ。

一層で肉厚、平滑、堅牢な塗膜を形成する技術でモルタルから下塗りまでの時間の掛かる工程を一気に省けたことで、施工に要する時間とそれに伴う人件費のコストセーブを両立、厨房床に特化したソリューション事業として展開に入った。

さまざまな現場での施工上のノウハウや知見を蓄積するため、まずは自社の責任施工で展開し、その後商品としてオープン販売に切り替える意向だ。厨房床という膨大な市場開拓への期待が高まるとともに、「床の改修メンテナンスは施工技術的に最もハードルの高い分野。ここをクリアすることで信頼が高まり他の分野にも施工が広がる。当社で言えば『パワー防錆シリーズ』。床に過酷な条件は鉄にも共通しており、設備、機械、鉄骨など鉄部の改修も取り込める」と説明。 

「パワー防錆シリーズ」もナノ技術による強力密着、下塗り1回・上塗り1回の省工程による時間とコストセーブ、海洋構造物や軍事施設、製鉄工場など鉄に過酷な環境の中で使われ続けている実力・実績をバックボーンに飲食、食品関連でもポテンシャルが高い。床から鉄部への総合メンテナンスを狙い、まずは自社で施工ノウハウを蓄積、その後商材として塗料販売店などへ落とし込んでいきたい考えだ。

同社は国内外、業種を問わず会社見学者が非常に多いことでも知られている。ショールーム機能を更に充実させるため本社のリニューアルも計画中だ。



凹凸下地でも平滑に仕上がる
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厨房床の改修メンテナンスに
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