「新型タスペーサー01」がいよいよ発売された。住宅塗装リフォームで、平板スレート屋根の塗装時の必須アイテムとなっている縁切り部材のタスペーサー。雨水のキレ、通気性能や緩衝性能、耐溶剤性の向上など塗装品質への信頼性を更に高めた。

コロニアルやカラーベストなど戸建住宅の屋根材の主流である平板スレート屋根材。塗り替えに際しては、上下の屋根材の重なりが塗膜で密閉されないよう「縁切り」をしなければならない。屋根の内部に侵入した雨水が排水できず、屋根下地や建物の構造を腐朽させる恐れがあるためだ。

従来は乾燥後にカッターや皮スキなどで塗膜をカットして縁切りが行われていたが、塗膜が再癒着するケースがある他、仕上げた屋根の上を歩くことで塗膜を汚す・傷つける、屋根材が破損するなどクレームリスクもあった。そもそも塗膜カットの作業に手間がかかり、中途半端で終わらせることも多く、目視で確認しづらいことから手抜きが頻発する工程でもあった。

そこで、塗装をする前に重なり部分に治具をはさんで塗膜が癒着しない適度な隙間を確保。雨水の排出を確実に行えるものとして開発されたのがタスペーサーだ。

カッターなどでの作業と異なり、タスペーサーの存在によって縁切り工程の実行が可視化できることからハウスメーカー各社の塗り替え工事で標準スペックに入っている他、住宅リフォーム紛争処理支援センターや住宅かし保険法人・住宅あんしん保証の屋根塗装リフォームでも規格・仕様化。また積算資料ポケット版リフォーム編でもタスペーサーが記載されており、屋根塗装時の定番アイテムとしてオーソライズされている。

今回リニューアル発売された新型タスペーサーは、それ自体に水が上がりにくい形状を採用したことで屋根材の雨水のキレが向上、また本体のバネ性能が向上し通気性能を高めた。更に、屋根の上での実際の作業を想定し、60㎏~80kgの加重をかけても破損しにくく、屋根材の破損を防ぐ機能を高めた。屋根塗装では弱溶剤系塗料の使用も多いことから耐溶剤性も強化。「性能アップされたタスペーサーによって屋根塗装の施工品質と安全性の向上に寄与できる」とし、広く普及させていきたい意向だ。

一方同社では、屋根材の補修工法の開発を進めており、近日中に発表できる見通しだ。

平板スレート屋根材、特にアスベスト使用禁止以降の製品はもろさが指摘されており、屋根上を人が歩くことで割れが頻発、塗装工事の懸案事項となっている。

割れた屋根材の差し替えができない場合、コーキングなどで補修するケースが多いが早期に劣化しほとんど意味をなしていない。

同社では特殊エポキシ系の接着剤を割れの断面から屋根材の裏面まで行き渡らせて割れの修復のみでなく屋根材そのものの補強につながる補修工法を開発、近日中にリリースする予定だ。