戸建てやアパートなど低層住宅の屋根で多用されている平板スレート屋根材。その塗り替え工事でトラブルのリスクが高いのが屋根材の「割れ」だ。太陽光発電設置での荷重や工事で発生する割れ、塗装工事の現場調査時の歩行で屋根材が割れるケースも多い。特にアスベスト使用禁止以降の屋根材は脆弱で、「1棟当たり数カ所の割れがあるのは当たり前」(塗装業者)と、現場を悩ませている。

この問題を解決する工法として住宅塗り替え工事の市場で広がっているのが、セイムが開発した平板スレート屋根の補修工法「タスマジック工法」だ。コーキングなどによる応急処置と異なり、元の屋根材の2倍にも達する強度に、確かな信頼が寄せられている。

「タスマジック工法」は、平板スレート屋根材専用の浸透型接着剤「タスマジック」を割れた箇所に注入して補修する工法。接着剤が屋根材の裏面まで浸透し、表裏両面から強固に割れた箇所を接着。その補修箇所は、元の屋根材に比べて2倍の強度に達することを荷重実験で証明している。コーキングなどの処置と異なり、割れた屋根材を抜本的に補修できるのが最大の特長だ。

更に、「高圧洗浄後、すぐに補修工程に入れるので作業時間に負担をかけない」(担当者)のもポイント。多少の水分が残っていても接着剤が完全硬化するよう設計されているので、洗浄後の乾燥待ちの時間ロスを削減、効率的な作業を実現した。接着剤は、夏は2時間、冬は3時間ほどで完全硬化し、硬化後は水系、溶剤系の塗料を通常通り使用できる。

「屋根は施主様の目が届かない箇所だけに、そこで起こっているトラブルを確実に直せることが信頼につながる。タスマジックで補修した実物サンプルを営業時にお見せすれば効果てき面」と、受注営業の強い味方にもなる。