ABBはPixelPaint技術が、メルセデス・ベンツのドイツ・ジンデルフィンゲン工場に導入されたと発表した。

PixelPaintはインクジェットプリンタに似た塗装ヘッドを使用しており、広い範囲への塗装ができると同時に、細かい部分についても正確に塗装できる。手作業を一切必要としない、完全自動化されたプロセスを実現している。

同社は「この技術は消費者の高まる需要に応えて製品の個性を強めると同時に、排出ガスの削減を両立させたい自動車メーカーに新たな可能性を開く」との見方を示す。

PixelPaintは、IRB 5500などのABBの塗装ロボットと、独立して制御される1000個以上の小さなノズルを備えた塗装ヘッドで構成されている。同社の3Dビジョンシステムと組み合わせ、シミュレーション及びプログラミングソフトウェア(RobotStudio)によって調整されたヘッドは、車体に非常に近い位置で追従し、オーバースプレーや空気中のミストを発生させることなく塗料を100%、均一に車体へ塗布する。

これにより、手間のかかるマスキングや塗装工場での繰り返し作業が不要になり、廃棄物ゼロや温室効果ガスの排出量削減を実現する。

メルセデス・ベンツはまずメルセデス・マイバッハ SL 680モノグラムシリーズ向けにPixelPaintを採用している。