関西ペイントは連結子会社の久保孝ペイントによる100%出資の粉体塗料製造新会社を2022年12月に設立、来年4月に操業を開始する。加えて、兵庫県赤穂市に粉体塗料工場を新たに建設する。生産増強により粉体塗料事業の拡大を図っていく。

粉体塗料は塗装工程の省人化が図れ、環境対応の課題を解決する塗料として優位性が認められ、世界的にも需要が拡大している。関西ペイントグループは粉体塗料事業を重要な拡大セグメントと捉え、日本における生産体制、技術、商品、販売体制を強化する。

生産体制及び販売体制強化のため、粉体塗料事業を主力とする久保孝ペイントを完全子会社化する予定。なお、久保孝ペイントと大日本塗料との合弁事業として設立したジャパンパウダー塗料製造(JPCM)は、11月30日に合弁事業の解消に合意した。来年4月には久保孝ペイントが保有するJPCMの株式49%をJPCMに譲渡する予定。

関西ペイントグループは今回の日本における粉体事業拡大で2030年度には売上高90億円(2021年度比で倍増)を見込み、トップシェアを目指すとしている。

また、関西ペイントの欧州連結子会社・Kansai Helios Coatings GmbH(Helios社)が欧州及び米国で粉体塗料・合成樹脂事業を行うCWS Lackfabrik GmbH(CWSグループ)の全株式を取得し子会社化すると発表した。

CWSグループは1864年にドイツで創業され既に150年を超える塗料メーカーであり、ドイツを中心に欧州各国向けに工業向けの粉体塗料や塗料樹脂の製造販売で確固たる地位を有している。2021年12月期の連結売上高は141億1,300万円、連結税金等調整前純利益は12億900万円、連結純資産33億5,500万円、連結総資産74億900万円。

CWSグループ13社を関西ペイントグループに加えることで、Helios社との事業シナジー効果を高めてグローバルでの粉体塗料事業拡大を目指す。