加速する人口減少、若者の地方離れ、空き家の増加、空洞化する街の機能。地方を取り巻く社会の変化に対して塗料販売店に何ができるのか。そんな問題意識をベースに開催した地域イベントが「KURASHI TO MARCHE(暮らしとマルシェ)」だ。秋田県の塗料販売店・ささきの秋田支店が展開している「Cento Colore(チェントコローレ)」主催で4月に開催した。

このイベントでは古着店や生花店、飲食店など「地域を元気にしたい」という同じ思いのショップとコラボレーションし、地域と生活者が交わる場づくりを行った。

コンセプトは、「暮らしを自らの手で編集していく」という価値観の共有。古着にペイントでスパッタリングをして自分だけのファッションに仕立てたり、壁の色と花が織りなす空間の魅力を再発見したり、アートとしてのペイントの楽しみ方を発信したりなど、衣食住とペイントのコラボによる豊かな暮らしのシーンを提案。塗料販売店が単なる物販の枠を超え、地域コミュニティのハブとして機能することに挑戦した。

イベントには、設計士やデザイナー、ビルダーなど家づくりに関わる人だけでなく、大学生など若い人たちも多数来場。「特にDIYやセルフリノベーションに関心を持つ若い世代に対し、塗料が暮らしをつくる手段として再認識してもらう機会になった」(Cento Colore)と手応えを実感。空き家の活用やワークショップの開催、他地域との連携など「地方を元気にする塗料販売店の可能性を見出していきたい」(同)と継続的な取り組みに発展させる。