「第6回塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)」(主催・RXジャパン)が10月4日から6日の3日間、幕張メッセで開催された。塗料・塗装関係からは約60社・団体が出展、併催された各種素材技術を合わせた「高機能素材WEEK」全体で4万3,663人が来場した。塗料は、建築用、工業用とジャンルを問わない幅広い製品・技術が見られた一方、塗装設備は高塗着、省エネを訴求した出展が目立った。主な出展内容は下記の通り。

■イサム塗料
自社製品で施した軽トラックの展示も呼び水となり「併催展との相乗効果もあり、来場者が途切れない状況。塗料に対してさまざまな期待と課題を知ることができた」(担当者)と盛況ぶりを見せた。
出展製品は、プライマーレスを実現した塗床材「イサムフロアーダイレクトアクア」の他、汎用・工業用の速乾性1液型アクリル樹脂塗料「アクアシャインGA」(汎用工業用)、「ハイアート5000シリーズ」を出展した。
一方、主力の自補修分野では、昨年末に投入した「ベッドライナー ビースト」を紹介。ボディやバンパーに対し、凹凸感のある意匠を付与できるのが特長。傷がついた未塗装の素地バンパー(PP、ABS)のリフレッシュを可能にする製品としてアピールした。

■オキツモ
断熱、低反射、潤滑、非粘着、放熱と塗料による機能付与を全面に訴求。セラミックス塗料、シリコーンゴム用潤滑コーティング、PFAS対応ゴム用潤滑コーティング、断熱ペイント「HIPエアロ」などの機能性塗料を出展した。
「HIPエアロ」においては、断熱の新しいスタイルとして"セルフ断熱"を提案。初心者の工場従業員でも施工できる簡便性やコスト面などのメリットを訴えた。
また開発中のプロトタイプとして機能性低反射塗料「T-BLACK」を出展した。
赤外線領域における低反射性を特長とした塗料で、迷光対策やノイズ対策などセンシング機器の精度向上に寄与するのが特長。形状が複雑な精密部品にも適用できる塗料特性と生産性の高さを武器に自動車向けの採用を見据える。

■関西ペイント
"火災の熱から建物と命を守る"をキャッチフレーズに耐火被覆材「耐火テクト」を出展した他、次世代高性能下塗「ルビゴール」、微生物固定化担体「KPパール」を出展した。
「ルビゴールに関する相談が多く寄せられた」と担当者。「ルビゴール」は錆の上や洗浄後の塗れた状態でも塗装できる防食下塗り塗料。鉄骨、配管、プラント構造物などを用途に示し、防食性をアピールした。
「KPパール」は閉鎖水域での富栄養化や公共水域の窒素増加に対応した硝化槽担体。水中の有機物やアンモニアを担体に付着した微生物が吸着し硝酸及び亜硝酸に変えるバイオテクノロジーとして紹介した。

■久保孝ペイント
粉体塗料と1液焼付型ウレタン塗料「ウレタンベイク2000h」を中心に出展した。
粉体塗料においては、3.6kgからの小口販売を実現した「粉体カラーカードシステム」の他、液状プライマー「ニッシンバインダー」と組み合わせた短工程システムを提案した。「ニッシンバインダー」は1液焼付型高分子エポキシ樹脂系の万能プライマーで、下塗り塗装後の焼付乾燥、冷却を不要にしたのが特長。粉体塗料を含む各種焼付型塗料の2C1Bを可能にし、工程時間の短縮に寄与する。
耐候性、高作業性を特長とする「ウレタンベイク2000h」においては、艶消しやサテン模様を可能にするなど、意匠性をアピールした。

■大日本塗料
同社社員が公式マスコットキャラクター「ひえティ」に扮して登場。集客に一役買った。
ブース内では、工業用塗料として低温焼付形ポリウレタン樹脂系塗料「Vクロマ #100ECO-LB」を紹介した他、耐皮脂性を有する内外装用塗料「アクアマリンタックレス」、貼る重防食シート「メタモルシート♯1」、鉄・非鉄金属用塩害環境向け塗装システム「タイエンダーシステム」を紹介した。
また自補修分野では、環境配慮型水性ウレタンシャーシ用塗料「AUTO HYDRO CHASSIS(オートハイドロシャーシ)」と調色コンピューターシステム「DNTuner」(近日発売)を出展。調色時間の短縮化、人材育成に寄与する。

■中国塗料
重防食分野、プラスチック・フィルム分野、住宅建材分野からそれぞれ新規製品を出展。重防食分野では、低VOC化技術として水性重防食システム、粉体塗料「コナロンシリーズ」、無溶剤材料(充填材、被覆材)、リサイクル型デリバリーシステム「IBCシステム」を紹介した。
中でも来場者の関心を集めたのが、プラスチック用塗料「フォルシードシリーズ」。反射防止や抗ウイルス、帯電防止、自己修復、リコートなど、プラスチック素材に多彩な機能を付与できるのが特長。
住宅建材分野向けでは、木床用無溶剤塗料「オーレックスシリーズ」を中心にバイオマス塗料「オーレックスBIO」、LED-UV硬化塗料「オーレックスLEDシリーズ」を紹介した。

■日本ペイント
外装用塗料として「パーフェクトシリーズ」、窯業サイディングボード改修用水性高耐久多色工法「ドレスアップアート」を紹介。その他、内装用抗ウイルス塗料「PROTECTON」、鋼構造物用簡易補修スプレー「タフガードリペアスプレー」を出展した。
同展は数年ぶりの出展となったが「今展の経験を今後に生かしていきたい」(担当者)とコメント。来場者の質問を受ける光景が目立った。
一方、自補修分野からは「nax EキューブWBシステム」を出展。水性耐スリ傷性クリヤーやPPプライマーをラインアップに加えるなど、環境対応型システムの厚みを訴求した。

■水谷ペイント
従来タイプに比べて安価で可使時間が長い新水系2液型樹脂「G70」を出展した他、建築外壁塗料「ナノコンポジットW」、防カビスプレー「ACスプレーカビ用」を紹介した。
「G70」は、主剤をアクリル、脂肪族エポキシを硬化剤とする同社オリジナルの水系2液樹脂。高耐候性、抗菌性、可使時間(23℃、24時間)、指触速乾性の他、イソシアネートを使用しない環境性を特長とする。樹脂開発力を武器に横展開を積極化している。
一方、「ナノコンポジットW」「ACスプレーカビ用」においては、ともに防カビ性の高さをアピール。「高温多湿の影響からかカビに対する相談が増えている」(担当者)と塗料による解決をアピールした。

■IEC
商社機能を基盤にしつつ、オリジナルブランドによる製品開発を積極化するIEC。オリジナル製品として「シーリング電気ガン」「絶縁粉体流動浸漬システム」を出展した。
「シーリング電気ガン」は、シーリング材料など高粘度材料向け塗布機で、コンプレッサーを不要にし、完全エアーレス化したのが特長。細かなピッチで文字を書くデモを披露。応答速度と吐出性能の高さをアピールした。

■アンデックス
塗装ブースや関連設備を手がけるアンデックスは、伸縮式循環型加温・乾燥ブース「MERIT e-OVEN」、乾燥・加温用赤外線ヒーター「IR Heater」、中部電力と共同開発中のウェットエアー式空調機「WETCOMⅡ」など、塗装工程のCO2削減に寄与する製品を中心に出展した。
「MERIT e-OVEN」は、断熱2重膜材を使用したアコーディオン式ブースでワークのサイズに合わせてスペースを自由に調整できるのが特長。内側と外側のシートの間にある空気層が断熱効果を発揮し、保温効果を高めた。加熱に要するエネルギーを節約し、循環させることで時間の短縮に寄与する。
「IR Heater」は、必要な箇所を短時間で加温、加熱する高出力赤外線ヒーター。ガス使用量削減、短時間化、作業効率化の観点からガス乾燥炉とのハイブリッド化を訴求する。
その他、必要な場所のみを冷やすスポットゾーン空調システム「TRNADE SYSTEM」を出展した。

■NCC
塗料ディーラーとして唯一の出展。熱風循環式乾燥炉やエアミックス塗装機、XY平面塗装機、キラー剤と遠心分離機を組み合わせた塗装ブース維持管理支援パッケージなど、塗装工場の生産性向上や効率化に寄与する設備機器を紹介した。
中でも来場者の関心を集めたのが、塗装塗膜を剥離する「熱分解剥離炉」。
塗装用治具やハンガー、ラック、フックなどに付着した塗膜を剥離するために開発された塗装塗膜剥離機で、焼付塗料(溶剤、粉体)、電着塗料など2液タイプで反応が終了している塗膜に適用。熱分解により塗膜の有機物をガス化、分解し、無機物(灰)にする。米国の会社が開発、同社が輸入販売を行っている。
「治具剥離業者の廃業も多く、困っている塗装会社も多い」と担当者。治具剥離の内製化提案に関心が集まった。

■大気社
天井からの全面均一給気風量を30~50%削減する省風量ブース「i-LAVB」を出展。塗装設備における省エネルギー、CO2削減効果を訴求した。
同社はCO2削減技術として①ブース排気リサイクル②ブース省エネ空調技術③乾燥炉シンメトリー④乾燥炉エアシール⑤VOC処理システム⑥前処理脱脂マイクロバブル⑦前処理排水リサイクル⑧電着塗料回収を挙げ、2000年度に2005年度比で56%のCO2削減を実現。「国内でも2件採用された」(担当者)と「i-LAVE」の導入につなげている。全体的には、フィルム加飾自動化ラインを大きくアピール。採用検討が進められている塗装レス対応をアピールした。

■トリニティ工業
トヨタ自動車と共同開発したボルテージブロック方式の静電カートリッジベルを一般工業向けに訴求した他、塗着効率95%以上を確保した「iX塗装機」、ドライブースを出展した。
カーボンニュートラル対策に対しては、「オール電化と排熱利用するヒートポンプへの移管がポイントになる」(担当者)と説明。ドライブースにおいては、一次フィルターにおけるダンボールフィルターの導入を提案。ダンボール利用によるCO2排出量の低減、水使用量ゼロ、廃棄物処理費削減に寄与するとアピールした。