日本塗料工業会は2020年度需要実績見込及び2021年度需要予測をまとめた。2020年度は新型コロナウイルスの影響により世界経済が大きく減速、前年度比91.2%と予測。下期に入り回復傾向が続くが、2020年度は2回にわたり緊急事態宣言が発令されるなど一進一退の状況が続いている。

2020年度需要実績見込で、対前年を上回ったのは、家庭用(116.8%)、その他(112.0%)、路面標示(102.3%)の3分野。家庭用においては、巣ごもり需要によりホームセンターを中心にDIY需要が拡大し、前年度を大きく上回った。

落ち込みが目立ったのは、道路車両・新車(81.6%)、建築資材(86.3%)、機械(87.9%)、木工製品(88.6%)。新車及び機械は、上期を中心とした需要先の稼働率低下や市況不振が影響した。木工は、展示会などのイベントが減少し、関連施設や設備の需要が減少した。

一方、2021年度需要予測は、全体で前年度比100.6%の見通しとした。

建物(102.3%)は、前年の落ち込みからの反動や在宅時間の増加により塗り替え需要の回復を期待。新車(107.9%)は自動車生産台数の回復が見込まれるとしてプラス推移を予想する。また電気機械(105.3%)、機械(104.7%)、金属製品(108.2%)も国内外の需要回復を見込みプラスと予想。木工製品(103.2%)も建材メーカーの回復を受け、前年超えを予想する。

しかし、依然として新型コロナ収束への予見を難しくしており、地域や需要分野によってまだら模様の状況が続く見通し。加えて、原油価格の高騰やコンテナ船の手配困難、半導体工場火災に伴う稼働停止などサプライチェーンに絡む影響もあり、予断を許さない状況が続くと見られる。

需要実績見込

需要予測