令和5年の日本国内におけるBtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は、前年度比9.2%増の24兆8,000億円となり、EC化率は0.25ポイント増の9.4%となった。2021年度20.7兆円、2022年度22.7兆円と新型コロナウイルスで一度減少した2020年度以降、拡大基調を鮮明にしている。経済産業省が令和5年度の電子商取引に関する市場調査の結果をまとめた。

令和5年度のBtoC-ECの分野別規模は、物販系分野14兆6,760億円(前年度比4.8%増)、サービス系分野7兆5,169億円(22.3%増)、デジタル系分野2兆6,506億円(2.1%増)と全分野で伸長。物販系におけるEC化率の上位は①書籍・映像・音楽ソフト(EC化率53.5%、市場規模1兆8,867億円)がトップで以下、②生活家電・AV機器・PCなど(42.9%、2兆6,838億円)③生活雑貨・家具・インテリア(31.5%、2兆4,721億円)と続いた。

市場規模では、過去調査から食品・飲料・酒類が2兆9,299億円のトップもEC化率は4.3%と最も低く、実店舗購入が多く占める。

その他、サービス系分野では旅行サービスが35.9%増の3兆1,953億円、飲食サービスが23.7%増の8,165億円と大きく上昇。デジタル系分野は、有料音楽配信が13.9%増の1,165億円、有料動画配信が8.2%増の4,717億円と伸ばした一方、オンラインゲームは3.6%減の1兆2,626億円となった。

物販、サービス、デジタルの全分野で市場規模が拡大したが、EC化率の伸びは0.25ポイント増にとどまったことから、物価高騰も含め全体の購買額が前年を上回った。
 一方、企業間取引を示すBtoB-ECの市場規模は、10.7%増の465兆2,372億円、EC化率は2.5ポイント増の40.0%となった。

EC化率においては、輸送用機械(80.6%)や食品(75.0%)の製造関連分野でEC化率が上位を占めた一方、建設・不動産業(16.9%)、運輸(22.5%)、卸売(37.5%)となった。
その他、消費者間取引を示すCtoC-ECは、5.0%増の2兆4,817億円。