日本塗料商業組合青年部(会長・榊原卓哉氏)は10月24日、北海道・札幌市の吉山塗料店で第12回企業研究会を行った。当日は全国から約30名が集まった。
今回テーマにしたのは「塗料販売店におけるM&Aについて」。講師には、直近5年で6社のM&Aを実施した榊原会長自らが立ち、自社の成長ビジョンを踏まえた上でM&Aを積極化する理由や金融関係との交渉テクニックなど具体策について赤裸々に話した。
愛知県を拠点に塗料卸、塗装工事、消防設備(保守点検)を手がける榊原は、2020年豊橋市の同業・兵頭の全株式取得を契機に、新潟・近藤塗料店(2023年)、豊橋・三愛ケミカル(化学品卸=2024年)、名古屋・名塗工業(工業塗装会社=2024年)、福島・日光塗料店(同業=2024年)、名古屋・タカラ(工業塗装会社=2025年)6社のM&Aを実施した。三愛ケミカル、名塗工業、タカラにおいては、仕入先、販売先にもなる明確なシナジーを見出す一方、同業3社においては、自社のノウハウを注入することで地場塗料店としての成長余力を見出した。
「日本で1番拠点数の多い会社にしたい」と榊原氏。10年後には、現在のグループ売上高26億円を50億円に引き上げ、東京プロマーケット市場の上場を視野に入れる。
講演で榊原氏は、金額面の言及は避けたものの、仲介交渉と直接交渉のメリット、デメリット、金融機関との交渉テクニック、買収後の施策、留意点について紹介。M&Aに対する参加者の関心も高く、積極的に質問をする姿が目立った。
最後に榊原氏は「業歴の長さは塗料販売店の長所。塗料販売店の存在を世の中に広め、外に打って出ていくためにもM&Aが有効策だと感じている」と述べ、講演を締めた。




