価格改定、円安受け各社とも増収

大手上場4社の2023年3月期の中間業績は、市況の回復、価格是正、円安の影響を受け4社とも増収となった。一方、事業の儲けを示す営業利益は大日本塗料を除き減益。経済活動の再開とサプライチェーンの回復により徐々に需要を取り戻しつつも、国内は分野ごとにばらつきも目立つ。ロシア・ウクライナ情勢に伴う地政学的リスクや各国の景気減速が影を落とし、引き続き不透明感を強めている。


関西ペイントの連結売上高は、23.3%増の2,507億円、営業利益6.4%減の157億6,200万円、経常利益1.3%増の210億4,100万円、四半期純利益7.7%増の123億7,100万円となった。  

会見に出席した毛利訓士社長は、前年対比で増収増益を計上したことに加え、原材料高に伴う価格是正の進捗状況を説明。「価格転嫁率は120%と順調に進んでいる」と述べ、引き続き価格是正に努める姿勢を示した。営業利益は、欧州のエネルギー費の増加など原材料高以外のコスト増により減益となったが、日本、インド、アフリカの3地域で増収増益を計上。為替差益も加え、堅調ぶりを示した。一方、自動車用事業に関しては、「半導体の確保が進み、回復基調を顕著にしているが、まだまだ万全とは言えない」とし、本格回復は2024年度以降になるとの見方を示した。

国内事業は、売上高7.1%増の735億3,700万円、経常利益33.6%増の88億5,900万円。自動車、船舶が前年を上回ったものの、建築、自補修、防食は低調に推移した。

海外事業の売上高は、インド681億5,600万円(49.8%増)、欧州544億6,700万円(31.6%増)、アジア321億6,800万円(11.3%増)、アフリカ190億9,800万円(18.9%増)、その他32億7,100万円(16.5%増)となり、インド事業が牽引した。

通期予想は上方修正を行い、売上高は、過去最高の5,000億円(19.3%増)と予想。営業利益320億円(6.3%増)、経常利益390億円(3.7%増)、当期純利益230億円(13.3%減)を見込む。

エスケー化研の連結売上高は、7.9%増の455億2,900万円、営業利益7.5%減の45億4,900万円、経常利益69.7%増の88億2,800万円となり、四半期純利益は68.2%増の60億3,200万円となった。大規模再開発案件の需要や改装需要に持ち直しが見られたものの、原材料価格の高騰が利益を圧迫した。経常利益増は約40億円の為替差益が寄与した。

主力の建築仕上塗材事業は、新築需要が減少した一方、リニューアル市場向けで伸ばし、売上高7.8%増の414億300万円、セグメント利益は6.5%減の53億1,000万円。耐火断熱材事業は、首都圏、都市部の再開発事業が牽引し、売上高5.8%増の30億5,600万円、セグメント利益は23.7%増の3億3,800万円となった。

通期業績は、当初予想と同じ売上高910億円(3.1%増)、営業利益97億円(6.8%減)、経常利益108億円(16.5%減)、当期純利益74億円(16.2%減)を見込む。

中国塗料の連結売上高は、8.5%増の444億6,800万円、営業利益78.5%減の2億3,400万円、経常利益35.4%減の8億6,300万円、四半期純損失3,100万円となった。各利益項目の減少は、原材料の調達コスト増を受けた第1四半期の影響によるもので、販売価格の見直しを実施した第2四半期以降は改善傾向を顕著にしている。

地域別では、日本が売上高18.7%増の184億5,100万円を計上。新造船向けの需要回復に加え、工業用塗料も堅調に推移。損益面では、原材料高と為替の影響を受け、セグメント損失4億6,600万円となった。

その他地域の売上高は、中国59億9,800万円(22.3%減)、韓国30億5,400万円(17.3%減)、東南アジア68億4,500万円(16.2%増)、欧州・米国101億1,800万円(24.6%増)となった。

通期業績は、当初予想を修正し、売上高900億円(6.8%増)、営業利益25億円(263.5%増)、経常利益31億円(206.2%増)、当期純利益20億円(677.4%増)を見込む。

大日本塗料の連結売上高は、6.2%増の348億5,500万円、営業利益1.6%増の17億7,300万円、経常利益15.9%増の20億3,100万円、四半期純利益43.7%増の13億2,300万円となった。

期初時の想定を上回った理由について里隆幸社長は「構造物塗料の販売が顕著に推移したことに加え、商業施設、建築向けに展開する照明機器事業が想定を上回る水準で推移した」と市況の回復を指摘。また「約18億円の原材料高に対し、価格是正で15億円打ち返した」と述べ、収益改善に寄与した要因に価格是正の成果を挙げた。

セグメント別では、国内塗料事業売上高6.7%増の260億1,700万円、営業利益8億2,900万円(2億4,800万円減)となった。構造物用塗料が伸長したが、工業用分野は建材用塗料、プラスチック塗料ともに需要が減少。利益面は原材料高を受け、減益となった。

海外塗料事業売上高は、35億4,300万円(1.3%増)、営業利益1億8,800万円(7,500万円減)、照明機器事業売上高39億700万円(8.5%増)、営業利益5億1,700万円(3億400万円増)、蛍光色材事業売上高5億5,800万円(10.1%減)、営業利益3,200万円(500万円増)となった。

通期予想は上方修正し、売上高720億円(7.5%増)、営業利益38億円(19.4%増)、経常利益42億円(21.2%増)、当期純利益33億円(62.4%増)を見込む。

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