菊水化学と日進産業が業務提携
断熱塗材「ガイナ」で連携

建築用塗料メーカー国内4位の菊水化学工業(本社・愛知県名古屋市、社長・山口均氏)と断熱塗材「ガイナ」が急伸している日進産業(本社・東京都板橋区、社長・石子達次郎氏)が業務提携した。共同でガイナの専用下塗り材を開発するとともに、菊水化学は「キクスイガイナ」として同品を展開、自社の責任施工物件を中心に拡販する。業界主流メーカーと話題のベンチャーとの提携に注目が集まりそうだ。


今回の業務提携の1つがガイナの専用下塗り材の共同開発。日進産業はこれまで"推奨品"として他社の下塗り材の紹介で対応していたが、専用下塗り材を揃えることで「より安定した施工品質」を確保する狙いがある。

開発に当たった菊水化学技術陣は、「塗膜中に80%もの比率で含有されているセラミック成分がガイナの多機能の源。ほぼセラミックの塗膜を基材に強密着させてガイナの多機能性を長期持続させる」方向で開発に着手。

凍結融解200サイクルなどハードな試験による検証と配合変更などを繰り返し、一般内外装用の「ガイナ水性カチオンシーラー」、弱溶剤タイプの「同メタルプライマーⅠ」及び「同Ⅱ」、難付着層に強密着する「同マルチシーラー」の4製品をラインアップした。

「ガイナは熱を止めるという物理工学系の思想で開発していますが、塗料という形態である以上、下地への対応が最も重要であることには変わりありません。以前よりユーザー様から寄せられていた『もっと自信を持ってお客様に勧められるような下塗り材を開発してほしい』との声に応えられる専用下塗り材に仕上がりました」(日進産業・石子社長)と自信を示す。

一方、今回の業務提携のもう1つの注目点が、菊水化学が「キクスイガイナ」を展開する点。「2年に及ぶ共同開発の取り組みの中で、当社もガイナの多機能性と効果に魅了された」(菊水化学・山口社長)と説明する。

同社は戸建住宅を中心にハウスメーカー発注の塗り替え案件を年間1万7,000棟の規模で請け負っており、ここで「キクスイガイナ」を展開する。 

テレビにも頻繁に取り上げられ、省エネ大賞を受賞するなど一般での知名度が高いガイナ。「ハウスメーカー物件の塗り替えに際して、『ガイナで施工してほしい』との施主様の声が増えていると聞いています。機会損失を防ぎ、元請け(ハウスメーカー)の受注率を高める意味でも商機は大きい。当社にとっても競合との明確な差別化になります」(山口社長)と狙いを語る。

また、建築汎用の「総合塗料メーカーを目指す」中で同業他社にない断熱セラミック塗材を揃えることでの販売面強化にも期待する。両社は「互いのポテンシャルを引き出し高め合うことで優位性を築いていきたい」とコメント。



山口均社長(左)と石子達次郎社長
山口均社長(左)と石子達次郎社長

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