インテリアペイントの魅力伝える
カラーフォーキャスト2019

関西ペイントは12月中旬、同社東京事業所で「グローバル・カラーフォーキャスト2019」の発表会を行った。カラーフォーキャストは建築分野、特にインテリアシーンに向けたトレンドカラーをグローバルに発信している取り組みで、今回が3回目。2019年は「RAVINE62」というグレー色を究極のニュートラルカラーとして選定。同色を用いて展開した4つのカラーストーリーを発表した。また、今回は「インテリアペイントビジネスの可能性」と題したトークセッションも開催、奥行きのあるプレゼンテーションを展開した。


カラーフォーキャストとは、近い将来の流行色を選定してカラートレンドから需要を誘導するための取り組みで海外の塗料メーカーで定着しているマーケティング手法。景気や世相、ファッションなどさまざまな要素を分析して流行色を予測し、消費者が共感するストーリーを組み立ててカラートレンドとして発信、その良否がメーカーの売上にも影響する重要な活動だ。

関西ペイントグループでは毎年、南アフリカの子会社・Kansai Plasconに各国グループ会社のカラーリストが集結し、カラーフォーキャストミーティングを開催、世界に発信するカラートレンドを決定している。日本からは同社・商品企画部の宮川理香部長が参加、そこで決定したカラーフォーキャストを今回のプレゼンで発表した。

2019年の顔とも言えるニュートラルカラーとして選定されたのは「RAVINE62」というグレー色。「この色は10年以上にわたってとても人気のあるニュートラルカラーで、空間に豊かな上質感のある表情を呼び起こす色として支持されています」(宮川部長)と解説し、同色を織り込んだ4つのカラーストーリーの説明に移った。

2019年のカラーフォーキャストに基づいたカラーストーリー(テーマ)は「GLAMOUR」「LUXURY」「MINIMAL」「URBAN」の4つ。「それぞれのストーリーは季節になぞらえられており、各季節とその人の個性が融合するようなカラーコンボ(色の組み合わせ)を提案しています」と、4つのストーリーと、ストーリーごとに3つのカラーコンボを紹介した。

「GLAMOUR」は夏、「LUXURY」は秋、「MINIMAL」は春、「URBAN」は冬など、季節をイメージしてストーリーごとにカラーをコレクション。

例えば「GLAMOUR」は若さや行動力など、夏を好きな人にアピールするカラーパレットが選定された。鮮烈なグリーンとアクアカラーやネイビーブルーとの組み合わせで爽やかさを演出する一方で、フェミニンなピンクも添えるなど夏の明るい陽射しと爽やかな風で室内が満たされるようなカラーコレクションを紹介。

その他のストーリーも、パーソナルなイメージや暮らしのシーンに当てはめてカラーコンボを選定、「2019年のカラートレンドをJoy of Colorとしてお客様の暮らしのあらゆる場面に展開していただけたら」と、色を楽しむ暮らしが広がることへの期待を示した。

暮らしの「こうありたい」を引き出す

今回のカラーフォーキャストの発表会では、関西ペイント独自のコラボレーションチーム「KIP's(キップス)」メンバーによるトークセッション「インテリアペイントビジネスの可能性」が行われた。

「KIP's」はインテリアコーディネーター(IC)とプロのペインター、そして塗料メーカーが連携し、実際の施工を通じてインテリアペイントの魅力を伝えていくコラボレーションチーム。インテリアペイントの普及を目的にICに働きかけた「PXI(ピクシィ)」と、戸建塗装リフォームの会員組織「リフォームサミット」の有志のメンバーが連携、インテリアペイントの魅力を伝えていく活動を行っている。

今回は、「KIP's」の中からインテリアコーディネーターの西堀トシコさん(写真中央)と岩藤奈生子さん(同右)、そしてペインターを代表して坪井邦夫氏(同左)が登壇、インテリアペイント施工の具体例を示しながらそれを"魅力化"する勘所について話した。

例えば、西堀さんと坪井氏が組んだ一例は、一般の戸建住宅の内装。当初、室内の臭いや湿気対策として「アレスシックイ」を一部分に塗るだけの予定だった案件が、内装の壁・天井全体に施工範囲が広がった事例。「インテリアコーディネーターがお客様の暮らしを丁寧にお聞きすることで、『もっとこうしたい』という潜在的な要望に気づいていただき、それに対して、また丁寧なご提案を行うことでお客様の理想を叶えるためのインテリア施工に趣が変わります。今回の施工でもアレスシックイで臭いや湿気対策をするだけでなく、室内に空や雲、虹を描きたいというお客様のリクエストが寄せられ、坪井さんに頑張っていただきました」と西堀さん。

坪井氏は「アレスシックイだけの予定だったところ、思わぬ指示がありました(笑)。ただ、PXIのデザインペイントの講習でさまざまな技法を学んでおり、今回もスポンジングを駆使してお客様のご要望にお応えできました。インテリアペイントはお客様との距離が近いので、その喜びがダイレクトに伝わり塗る方としても手応えを感じます」とコメント。

室内の空気質を改善する機能に加え、色とデザインの自在性で施主の理想や夢を叶えるインテリアペイントの魅力についてトークが展開した。



カラーフォーキャストの一例
カラーフォーキャストの一例
インテリアペイントの魅力をトークセッション
インテリアペイントの魅力をトークセッション

HOMENew Trendインテリアペイントの魅力伝える

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