日本塗料工業会、日本塗料商業組合、日本塗装工業会の3団体から構成される塗料塗装普及委員会(水谷成彦委員長)は色彩スペシャリストを育成する取り組みとして、新たに「カラーコーディネーター スキルアップセミナー」を開講する。6月から大阪、9月から東京で開催を予定しており、水谷委員長は「新セミナーの受講者や受講者の指導を受けた方々の提案により、色彩提供産業である塗料産業の地位の向上となることは塗料関係者が大いに期待するところです」とし受講を呼び掛けた。
2月25日にオンライン開催された「カラーコーディネーター スキルアップセミナー」プレイベントにて開講に至った経緯や概要が発表された。
1996年より塗料塗装普及委員会はカラーコーディネーターの育成と塗料産業の地位向上を目的として、カラーコーディネーター検定試験対策のサポートセミナーを毎年開催してきた。
しかし、2019年3月に検定試験を主催する東京商工会議所が2020年度より検定制度の全面改訂を発表。従来の1級、2級、3級のクラス編成をスタンダードとアドバンスの2クラスに変更することを決めた。これによって塗料産業にとって最も重要となる1級の「環境色彩」領域がなくなり、新しいテキストでは景観色彩や塗料色彩の習得領域が大幅に縮小された。
そこで製販装3団体は2019年のサポートセミナーの休止を決定。新たな色彩のスペシャリストを育成し、カラープランニングの質の向上のためのセミナーの立ち上げを決めた。
新セミナーの最大の目的はカラーコーディネーター検定合格者のスキルアップ。色彩設計の経験が少ない塗料業界の検定資格者に対し、実践の場で生かせるノウハウを教授し、色彩のスペシャリストを目指す。
同時に色彩設計の質の向上により色彩提供産業としての塗料産業の地位向上につなげたい考え。受講者間のコミュニケーションが図れる内容となっており情報交換の場としても期待される。
新セミナーのコースは基礎編と応用編の2つがあり、2021年度は基礎編を開催する。基礎編はカラーコーディネーター検定3級もしくはスタンダードクラスレベルの内容が理解できることが前提で、塗料と塗装の基礎知識とともに塗料業界での色彩設計の基礎となる知識やノウハウを理解する。
一方、応用編は2022年度の開催を予定しており、基礎編受講者及びカラーコーディネーター検定1級・2級・アドバンスクラス資格者が対象で、より高度な色彩設計の専門知識と実践応用力を養う。
基礎編は前期(大阪)と後期(東京)に開催され、大阪開催は6月16日、7月21日、9月8日の計3日間、東京開催は9月中旬、10月下旬、11月中旬の計3日間を予定。全日受講者には修了証書を発行する。募集は4月中旬ごろに日塗工HPにて発表される。