全国900社が加盟する施工店ネットワークを活用し、ホームセンターチェーンなど異業種企業との協業を図るエイトノット。「塗装という商品を分かりやすく施主に伝えるのが当社の役割」(大橋寿昭社長)と仕様の選定や販促物の制作、現場管理など施工以外の業務を同社が担いノウハウを高めている。

同社が施主との対話で重視するのは、ストーリーを持たせること。塗装仕様においてはラジカル制御形塗料を標準仕様に高グレード仕様として無機塗料を用意しているが、塗料の樹脂の種類や性能を前面にアピールすることはないという。「年金暮らしにある70歳以上の方や現役中の50代の方では、経済力や家に対する見方が違う」と説明。「施主のライフプランに合った塗装仕様を施主が納得して選べるような伝え方の工夫が大切」と施主目線に立った情報提供の重要性を指摘する。

また色決めの作業は、ネガティブな動機を根強くする塗り替えに対し、唯一施主がポジティブになれる時間との位置付け。そこで同社は、専属デザイナーによるカラーシミュレーションサービスを実施し、初期提案で5パターン、必要であれば更に5パターンを追加し、最後は塗り板見本で決定する徹底ぶり。塗装色を反映しやすい高精度のインクジェットプリンターや高画質紙の使用も施主の満足度を高めるスパイスとなっている。

現在、同社は塗装や外装工事の総合ガイドブックを制作中。施主に伝わる塗装商品の在り方を追求している。