好川産業の塗膜剥離剤「パントレ」が国土交通省の新技術活用システム「NETIS」(登録番号:KK-160028-A)に登録された。地方自治体、民間物件を中心に実績を重ねてきた同社にとって「国直轄物件での展開に弾みがつく」(担当者)と販売展開に勢いが増している。

同社がメーカーと共同で非塩素系環境対応型剥離剤「パントレ」を開発したのは平成25年秋。翌年に沖縄の物件(約3,000㎡)が初受注となったが、折りしも同年6月に厚生労働省が湿式による剥離作業を推奨する「鉛等有害物を含有する塗料の剥離やかき落とし作業における労働者の健康障害防止について」の通達を出す寸前。既に市場には複数のブランドが流通していたが、実績を得ていたこともあり通達を契機に一気に引き合いを増やしていった。現在は全国8カ所の営業拠点を軸に提案活動を推進。県や市などの地方自治体、NEXCO各社などで実績を伸ばしている。

同社が強みとするのは、施工作業に必要な機器や資材、養生品などをトータルで提供できるサービス力。呼吸用保護具や化学防護服などの安全衛生保護具を提供する他、バキュームブラストやIH塗膜剥離機のレンタルサービスを実施する。その他、関連アイテムについても鉛・PCB等の有害物質対策機材としてカタログに収録するなど、商社の強みを生かした品揃えでユーザーの評価を高めている。

担当者は「自治体の環境に対する意識は年々強まっており、剥離剤の需要はまだまだ伸びると考えている。当社としてもニーズとコストを考慮した仕様を提案することで評価を高めていきたい」とコメント。取引販売店及び塗装業者の付加価値に寄与するとして、新規顧客を増やしている。

「パントレ」は、98%の生分解性を有し、塩素系有機溶剤であるジクロロメタンを含まないなど環境に配慮した点が特長。施工はエアレス及び刷毛を使用し、16時間(標準)養生する。

標準塗布量は通常1kg/㎡だが、「実地テストの結果によっては0.5kg/㎡からでも対応できる」とコスト対応力をアピールする。