「『地域に根づき、地域に愛される、日本一の幸せ創造企業を目指す』との企業理念は、ブレることはありません」。大阪府高槻市の建築塗装会社SAKURAは昨年11月26日、設立20周年記念式典を同市の芸術文化劇場・トリシマホールで開催。その冒頭のあいさつで、同社の本田卓也社長(写真)が誓った言葉だ。会場には地域の一般の人たちを含め600名もの人が参集。同社の20周年を祝い、これからの活躍にエールを送った。
セレモニーは、同社の全社員による和太鼓の演奏で幕を開けた。初めてバチを握る社員が多い中、この日のために猛練習。迫力ある演奏を響かせた。
続いて登壇した本田社長が来場者に感謝の思いを伝えるとともに、同社の20年の歴史を振り返りながら山あり谷ありのストーリーを語った。
中学卒業後に塗装職人に就いた本田氏は2001年に個人創業し、2004年に法人化。当初は孫請け、ひ孫請けの立場で、「社員と一生懸命働いても、未来が見えない毎日を送っていた」と重層下請けの悲哀を味わった。
そこで一念発起し、地域の住宅塗り替えを対象に自社が直接受注するスタイルに転身。「現場が近いので社員も早く帰宅でき、プライベートも充実。適正利益を確保できるので良質な工事を提供でき、お客様にも"ありがとう"と言っていただけるこんな素晴らしい仕事はない」とまい進した。
飛躍のきっかけになったのは、2008年に建設した自社ビルのオープンだ。市民の多くが目にする絶好のロケーションに建てた自社ビルの存在で知名度が一気にアップ、受注件数が伸び地域一番店の座についた。
その後、リフォーム、不動産、住宅建築と業容を広げる中、2018年の大阪北部地震を経験。被災した多くの家々にボランティアで応急措置に回ったものの、「もっと多くの人のお役に立つため、会社の箱を大きくして社員数を増やさなければならない」と、市の中心部に位置する現在の社屋に移転。「地域の住まいをずっと守り続ける、住まいのトータルパートナー」として進化を続けている。
当日は高槻市の濱田剛史市長が駆けつけて来賓あいさつを行った他、本田社長の塗装業界の盟友・宮嶋祐介氏(ミヤケン社長)も来賓として登壇。同社の未来に熱いエールを送った。
会場には関係者や社員の家族らの他、施工した家のOB客や、北部地震のボランティア先の住人など一般市民も多数来場、"地域に根づき、地域に愛される"同社の姿を印象づけていた。
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