日本ペイントが建築塗装分野における機能性塗料として期待を寄せるのが、屋根用遮熱塗料の「サーモアイシリーズ」だ。企業への熱中症対策が義務化される中、「工場など職場における熱中症対策の1つとして、屋根の遮熱塗装の需要が再燃するのではないか」(担当者)と見る。

サーモアイシリーズは、15年の長きにわたって市場実績を誇るハイスペック屋根用高日射反射率(遮熱)塗料。上塗と下塗の「ダブル反射」で高い遮熱効果を発揮するのが特長で、鋼板屋根などの裏面温度を大きく低減、工場など職場の環境改善に役立つ。

近年のように夏場の酷暑が続く中、「熱中症対策に加え、省エネ・節電によるコスト対策の面でも企業などへの説得力が高まっている」(同)としPRを強化。改めてサーモアイシリーズの高い遮熱性能を訴求するなど、ユーザーの成約率向上をサポートするため、販促にも工夫を凝らす。

一方、防食分野を対象に昨秋発売した省工程塩害対策塗装システム「ダンジオーラシステム」が、「予想を上回るペースで売れている」と自信を深めている。

水蒸気を活用した新たな架橋構造による高防食・高遮断性、さび転換機能と残存塩分許容性による素地調整作業の革新、4工程から2工程への省工程化など、従来の防食塗料の概念を変えた。「海浜地区の鋼構造物や建築鉄部、さび落としが困難な場面などの問題を解決した。塩害対策仕様の決定版として普及させる」と意気込む。