住宅塗装リフォームのフランチャイズチェーン・プロタイムズ・ジャパン(本社・福岡県糟屋郡、社長・菅原徹氏)の外壁塗装サービス「デザイン塗装」が2018年度グッドデザイン賞を受賞した。住宅の塗り替えに際して外壁にイラストや模様を描く同サービスが物件の価値を高めるだけでなく、周辺地域の活性化にもつながると評価されたもの。住宅塗装リフォーム自体がグッドデザイン賞を受賞したのは初。

今回受賞したのは山口県下関市の低層賃貸マンションの塗り替え工事で、プロタイムズ下関店(オムラ、大村龍雄社長)が施工した物件。築40年の建物は外壁の割れや剥がれ、汚れなど外観の見た目も影響して入居率が低下、「外壁をきれいにして入居率を高めたい」と建物のオーナーから同店に塗り替え工事の引き合いがあったもの。

この案件に対して大村氏は、「建物自体の外観もさることながら、古い建物が多い周辺地域の雰囲気も入居率に影響している」と考慮。そこで①マンションに華やかさを与えることで②周辺地域に明るさを付与し③最終的にこの地域やこのマンションに住みたいと思わせる流れが必要と考え、外壁に大きな「ひまわりのイラスト」を描くデザイン塗装を提案し、実施した(写真)。

4階建ての壁の1面全体にひまわりのデザイン塗装を施した他、ファサードの一部と各階ごとにパステルカラーで塗り分けた玄関ドアの一部にもひまわりのデザインをあしらい、建物に華やかさと可愛さを演出した。

この結果、塗り替え工事前に6割程度に落ちていた入居率は2カ月を待たずに100%を達成。しかも女性の入居者が増え、建物が明るい雰囲気に包まれるようになった。

更に、このデザイン塗装は「見ていると気持ちが明るくなる」と近隣住民にも好評で、暗い雰囲気を漂わせていた周辺地域の活性化にも貢献。建物の再生、付加価値向上と地域活性化への寄与が明瞭なことがグッドデザイン賞受賞の理由となった。

今回のデザイン塗装に対してグッドデザイン賞側から「地方の活性化や老朽化した建物の空室問題などを解決する1つの有効な手立てとなりうる」との期待も寄せられており、塗装工事自体の可能性を広げるものとして注目。