住宅屋根診断専用のアプリケーションを開発するテラドローン(本社:東京都渋谷区、代表取締役:徳重徹氏)は屋根点検ソリューション「Terra Roofer」(テラルーファー)を展開している。昨年9月の提供開始から約半年で導入社数は200社に到達。塗装店での利用が全体の3割を占めるなど、塗装業界でも実績を伸ばしている。

同品はドローンを使った屋根点検を誰でも簡単に、安全に行えるよう開発されたシステム。中国の大手ドローンメーカー・DJI社のドローンに加え、iPad上で操作する専用アプリケーションと国土交通省への飛行許可申請、対人・対物賠償責任保険、サポート対応、撮影データのクラウド管理を1つにまとめたパッケージで展開している。

特徴は、自動操縦機能を備えた専用アプリを開発したことでコントローラーでの操作を不要にした点。アプリ上に表示された地図から点検したい屋根の位置を指でなぞることで、ドローンが飛行する範囲を選択する。その後、範囲内の撮影ポイントをアプリが自動で判断し、オートで飛行・撮影する。撮影終了後は離着陸地点に自動で帰着する。

撮影後は写真データを元に画面上に3Dモデルを作成できるため、平面では分かりづらい劣化や不具合も把握しやすくなる。「屋根補修の見積もり時に説得力のある資料となり、受注につながりやすい」(担当者)とアピールする。

同アプリは4月に大幅なバージョンアップを行い、より多くのユーザーに使いやすい機能が追加された。ドローン前方にある障害物を検知して自動で停止する衝突防止機能により安全性が向上。また、指定した範囲内での撮影回数を任意で調整できるよう変更したことで、多くの写真を用いた精巧な3Dモデルを作成できる。逆に撮影回数を少なくすることでスピーディな点検が行えるなど、目的に合わせた飛行が可能になった。

同品の展開について、「簡便な操作で使える点をセールスポイントに、町場の塗装店様を中心に営業活動を行っています」とコメント。また、「足場を組んで職人さんが屋根に上る必要がないため、安心・安全な点に加えて作業の効率化や経費削減につながります。ドローンを飛ばすインパクトと合わせて塗装店様の強いPRになる」と話す。

なお「Terra Roofer」は経済産業省が推進する、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する際の経費を補助する「サービス等生産性向上IT導入支援事業」の対象製品に含まれている。申請が採択されれば、最大で導入経費の半額の補助が受けられるなど、導入時のサポートも充実している。