関西ペイントは昨年4月に発売を開始した次世代耐火被覆材「耐火テクト」について、新たなスタイルでの施工方法を提案している。

同品は従来のロックウールなどの耐火被覆材と異なる2液速乾型の発泡性塗料となっている。耐火被覆の薄膜化による空間利用の可能性が広がることや、空間にマッチした色の塗料を施すことで、鉄骨をそのまま見せる空間にするといったデザイン性の向上が期待できる。

更には屋外耐久性を持つため、同社は大規模な国際スポーツ大会や大阪万博、インバウンド需要などで建築ラッシュが見込まれる鉄骨造の高層ホテルや商業ビルなど大型建築構造物への施工に適した材料と位置づけ展開する。

また、塗料という従来の耐火被覆材とは異なる材料形態であることから、建設現場以外での鉄骨部材への事前塗装を可能とする。

その特性を生かして、このほどファブリケーターの工場で鉄骨部材へのプレ施工(工場塗装)をした上で、建築現場に搬入するという新しいスタイルでの供給を行った。

施工者からは工期短縮につながるとの評価を得て、関西地区で建設中の大型物件の鉄骨柱・梁(総面積約2,000㎡)用の耐火被覆材として採用された。同社にとっても新しい施工方法での初の供給事例となった。

今回の案件では、北九州市にある三喜工業の工場内で上塗り塗装までを行った上で部材を現場へ納入した。運搬による塗膜損傷部やボルト添接部周辺への補修塗装が必要となるものの、従来の現場塗装と比べて工期は大幅に短縮された。