三井化学産資の油性浸透型木材保護塗料「ノンロット」が堅調に販売量を伸ばし続けている。中でも透明仕上げを演出する「クリヤーⅡ」の人気が絶大。屋外木部の生地仕上げに対応する類のない製品として評価を高めている。

"木らしさ"や"木の風合い"をブランドコンセプトにするノンロットにとって、メンテナンス性に配慮した水性半造膜製品の台頭は、逆に木質仕上げにこだわる同品の特色を浮き彫りにしている。加えて、施工後の臭い抜けやテープ付きの良さといった特性も発注者、施工会社双方の現場評価として認知を高めている。担当者は「木を使う価値を損なわないことが重要とするスタンスが自ずと差別化につながっているのでは」と話す。

それでもメンテナンス性の確保は重要なテーマと捉え、3年前に屋外木部含浸下塗り剤「リグノブライト」を投入。劣化して変質したリグニンを包み込み、新たにリグニン構造に似た高分子物質を補填することで、色のくすみを抑え、鮮やかな着色仕上げに寄与するのが特長。木材保護塗料との組み合わせで、従来にない改修工法を提案する。しかし、「異なる劣化状況に対し、塗装品質としてどう安定させていくかが難しい」と課題も指摘。「時間をかけて育てていきたい」と今後も限定販売している造膜タイプと併せて着色改修工法の構築に意欲を示す。

一方で昨年秋には「Sカラー」で限定5色を発売するなど、カラーバリエーションを拡充。調色サービスを武器にカラー対応力も差別化に据える。