三井化学産資(本社・東京都文京区、社長・橘明宏氏)は6月26日、土木資材、建築資材の製造・販売を手掛ける前田工繊(本社・福井県坂井市、東京本社・東京都港区、社長・前田尚宏氏)に対し、全株式を譲渡する契約を締結した。株式譲渡日は2025年4月1日を予定している。
三井化学産資は、三井化学が100%株式を持つ総合産業資材メーカーで、合成樹脂技術を生かした止水材や浸透性撥水剤、水性シラン系表面含侵材を持つ他、木材保護塗料ブランド「ノンロットシリーズ」を展開していることで知られる。
今回、譲渡に至った理由として同社は「市場の成熟化や原料価格高騰など厳しい事業環境を踏まえ、土木資材を中心に強固な事業基盤を持つ前田工繊の子会社化になることで企業価値の向上が期待される」と説明。対する前田工繊も「建築・土木資材及び配管資材において高いシェアを有する製品を持つ三井化学産資事業と当社事業の親和性は高く、新規事業領域として配管資材分野に取り組むことで事業領域の拡大が可能となる」と述べる。
三井化学産資の2024年3月期の売上高は90億800万円、営業利益1億6,100万円、経常利益1億5,900万円、当期純利益8,800万円。
売却額は概算で56億1,000万円。価格調整完了前のため確定していないとしている。