関西ペイントが開発したリチウムイオン電池用材料がトヨタ自動車が発売した次世代コンパクトカー、新型「ヤリス」のハイブリッド車に搭載される車載電池材料に採用された。

今回採用されたのは車載用電池の正極膜を構成する材料の一つ、導電助剤となる「正極用導電カーボンペースト(スラリー)」。塗料事業を通して培ってきた分散技術を適用し、導電性付与に最適なカーボンの分散状態を実現。電池自体の性能向上と優れた安定性を持つ他、粘度が低い液状物としての提供を可能にすることで電池製造時における作業性向上、製造プロセスの改善に寄与する。

関西ペイントグループは2018年4月より、分散技術を中核としたプロセス技術のリチウムイオン電池材料への適用検討を始動。2020年を目標に、リチウムイオン電池向け材料ビジネスへの採用を目指してきた。今回の採用により、初の実用化に至った。

なお、同社では名古屋事業所(愛知県)と小野事業所(兵庫県)において、今回の実用化並びに今後の需要増加にも対応する生産体制の構築を進めている。

同社は今回の実採用に際し、「これからも、電池の性能向上や進化に寄与する開発を継続するともに、各種基幹技術を活用できる新しい領域の開発にも積極的に取り組み、より一層の社会ニーズへの対応と貢献を目指す」と述べた。