工業塗料販売や塗装プラント工事などを展開する富士化学塗料(本社・東京都、代表取締役・鈴木雅晶氏)は2018年9月に東北3拠点目となる山形営業所を開設した。

それまで東北エリアは北上営業所(岩手)と福島営業所(福島)でカバーしており、山形県内には既存ユーザーの対応のみであった。

そこで山形県内の新規顧客の開拓に取り組むために山形営業所を開設。県内エリアの対応はもちろんのこと、東北エリアの拠点を増やすことで営業所間の物流など連携を強化し事業拡大を目指した。

3年目となる山形営業所は順調に顧客を増やし、売上増を確保している。顧客としては塗装専業者の数が多いものの、メーカーの内製塗装ラインや塗装ラインを有する加工業者といった比較的大規模な需要家も増えている。

工業塗装向けの展開を進める上で、同社の強みとなっているのが細かな調色対応だ。ほとんどの営業所が調色サービス工場を備えており、1kg、4kgといった小口調色を中1日で対応する即納体制が顧客から重宝されている。

1kgオーダー可能、粉体調色強み

山形営業所も調色サービス工場を有しているが、ここでは他の営業所にはない粉体塗料の調色も行っており、各拠点からの注文に対応している。

同社が扱うのは日本ペイント・インダストリアルコーティングスの超小口短納期調色粉体塗料「ビリューシア  アルティーカラーα」で、山形営業所は認定工場となっている。

「ビリューシア アルティーカラーα」はブロックイソシアネート硬化型ポリエステル樹脂粉体塗料で、耐候性向上タイプの位置付け。通常、粉体塗料の調色は数百キロオーダーだが、同品は1kgからオーダー色を短納期で供給できるのが大きな特長となっている。

山形営業所開設とともに粉体塗料調色業務をスタートし、差別化となる「ビリューシア アルティーカラーα」の販売を進めているが、このほど販売増を図るため新たな取り組みに着手する。

現状、売れ行きが好調なのが東北エリア。調色工場があり製造方法を深く理解している営業マンが多いこともあってユーザーへの提案力にも優れる。その一方、西日本エリアへの展開を課題としている。

ユーザーの認知度を高めるために、人気カラーを常備色として13色選定し色見本帳を100セット作成。1セット/2,000円(送料別)で販売する。

常備色であれば調色した場合よりも価格を抑えられ、"まずは使ってみよう"との声を引き出したい考え。粉体塗装をしたことのない現場には、カップ式塗装ガンなどのデモ機を用いて粉体塗装の性能を知ってもらう機会を増やしていく方針。溶剤塗料だけでなく粉体塗料においても少量短納期を強みに拡販体制を整えて事業拡大を目指す。

粉体調色に関する問い合わせ

TEL023-673-0546(山形営業所所長・塩澤氏)
E-mail: yamagata23@fujikagaku32.co.jp

HP:https://fcp32.jp