ヒートエナジーテックは3月17日、技術交流会をオンラインで開催した。当日は東京ガスと共同開発中の水素直接燃焼式熱風発生装置を初披露。同社の取引先など約300名が参加した。

村田陽一社長は冒頭のあいさつで「2020年に政府は『2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指す』ことを宣言した。それを機に多くの企業がカーボンニュートラルの取り組みを宣言しており、当社にもそれに関連した要望が寄せられている。当社は昨年10月より、桂精機製作所の熱設備事業部と東京瓦斯電炉を統合し新会社ヒートエナジーテックとして舵を切った。エネルギーソリューションカンパニーとしてCO2削減や省エネの提案を通じさまざまな要求にお応えすることで地球環境に貢献していく」と述べた。

技術交流会では、東京ガスと共同開発中の水素直接燃焼式熱風発生装置「AH-NM(H2)」について説明した。同品は燃焼に水素を利用することで環境に配慮。従来燃焼に広く使用されている都市ガス13Aを使用した時と同等レベルの性能を発揮。2018年の福井国体で水素を利用した炉火台バーナーを披露。今回、更に開発を進め、乾燥炉での実用化を目指す。

水素の課題として、燃焼速度が速く、水素と空気が混合する過程での濃度制御など扱いが難しい、フラッシュバック(逆火)の可能性があるため、扱いには細心の配慮が必要といったものがある。同社では独自技術により、ガスと空気を最適に混合させる技術を確立した他、フラッシュバックや水素の漏れの防止など安全性にも配慮した。

製品の説明後は同社の神奈川工場とオンラインでつなぎ、同品の実証実験をリアルタイムで行った。

その他、連続焼入・焼戻炉の廃熱回収やフレームカーテンの燃料転換など省エネ・省CO2の提案も行った。