BASFジャパンは6月、社内で「自動車カラートレンド予測説明会」を開催した。コーティングス事業部カラーデザインセンターアジア・パシフィックチーフデザイナーの松原千春氏がカラートレンドの説明に立ち「グローバルカラートレンドは共通化していく傾向にある」と強調した。

2017~2018年のカラートレンドのテーマは「translucid(透明と不透明の間)」。現在、人と世界はスマートフォンやパソコンなどの画面を通してつながっている。しかしその画面からの情報は、時に真実を不透明にし、混乱を招くこともある。その得られる情報の不透明さから人は不安になり、手で触れる、感じられるものといった確かにあるものに回帰していくというコンセプトをカラーで表現した。

色調は温かみのあるグレーが主流となっており、人の肌や感情の移り変わりを表している。また、ブルー味を帯びたグレーや深淵なネイビーはデジタル技術と人間の最適なバランスでの融合を表現している。「人々の不安や恐怖、好奇心や希望や解決策を象徴するカラー」(松原氏)と解説。

アジアパシフィックのカラーテーマは「Unbound(開放されたマインド)」となった。アジア独自のサービスやプロダクトなどで世界への存在感を示していく精神を表現。特に中国では、若者たちはステレオタイプへの反抗心を持ち、自分たちのファッションやライフスタイルの主張を強めていると分析。それらのことから、きらめくガラスフレークをちりばめた深みと力強さがあるレッドなど個性的な色も見られた。

なお、グローバルな人気色はホワイトとブラックが60~70%を占め、依然として無彩色カラーが主流としている。

同社では毎年世界の動向が色に及ぼす影響を調査しカラートレンドを予測。自動車メーカーなどにプレゼンテーションしている。