難波氏は5年前に独立してHEET(愛知県津島市)を設立、金属焼付塗装業として配電盤関連をメインに溶剤系及び粉体塗装を行っている。

難波氏が見据えるのが、自動車カスタムで人気のある加工技術を工業塗装に応用することだ。興味があってほとんど独学で身に付けたエアーブラシやグラインダータトゥーを工業製品に生かすことで新たなデザインが付与でき、それが価値の創造につながると期待する。

2017年にはエアーブラシを用いた作品が愛知県塗装技能作品展(工芸部門)で名古屋市長賞を受賞。また、奥さんの助言もあり表面にグラインダータトゥーを施しカラークリヤーで仕上げた時計のネット販売も行っている。

デザイン路線を本格化したいところだが、2年前に事業拡大を図って現在の工場に移ったため、「今は量産品の仕事に力を注いでいる」と経営基盤の安定化を優先する。確かな納期対応が顧客から評価されており、工場はフル稼働が続いている。

今後については「自分の世界観を表現したいし、落ち着いたらエアーブラシ教室も開きたい」と意気込む。