「東京オートサロン2019」が1月11日から3日間、幕張メッセで開催された。会期中はカーメーカーやカスタムを得意とするボディショップなどが一堂に会した。来場者は約33万人。

同展示会は1983年に「東京エキサイティングカーショー」としてスタート。第5回からは「東京オートサロン」に名称を変更し今年で37回目を迎える。日本最大級のカスタムカーの祭典だが、近年では自動車メーカーも出展し、同展示会に合わせて新車発表なども行われている。

マツダは新型車「MAZDA3」を日本初披露。ハッチバック車とセダンの2種類があり、新色の「ポリメタルグレーメタリック」はハッチバック専用色となっている。場所の明暗によって変わる色みが特徴で、暗いところでは樹脂の滑らかな質感、明るいところでは金属質で高級感を演出する。「ハッチバックのフォルムに合わせたカラーでセダンタイプには採用されていない」(担当者)とこだわりを説明した。

ダイハツは昨年12月に発表した「コペンクーペ」を出展。車体を彩る深いグリーンはイギリスの高級車をイメージし、「小さいけれどエレガント」に仕上がっており、流麗なフォルムに映えるカラーリングとなっている。「3年前のオートサロンに出展したモデルで、ユーザーの要望が多かったため、販売に至った」(担当者)と発売への経緯を説明した。200台限定のプレミアム販売で、オートサロンに合わせて商談予約を開始した。

軽自動車ではマットカラーを取り入れている自動車が目立つ。スズキは昨年発売した新型の「Jimny」を出展。「Jimny SURVIVE」はつや消しのグレーをボディ色に採用。無骨なイメージで、生き抜くための強さを演出し、本格的なアウトドアを楽しむアクティブな層に訴求した。

ホンダはユーザーと作り上げた世界に1台の「N-VAN」を出展。同社は一般ユーザーから「このクルマで叶えたい夢」を募集。プロのイラストレーター・ちひろさんの夢である「走るアトリエ」を実現させた。ボディカラーはつや消しのブルーグレーを採用。あえてローラーやハケを使ってざらっとした独特の風合いに仕上げた。その他、外に広げた机やいすなどの什器も手作り。「広々とした車内はたくさん荷物が詰め込める他、ピラーレスで開放感がある部分を訴えたい」(担当者)と説明した。

カスタムカーブースではこの他、ジェットストロークが貼ってはがせる塗料「ラバーディップ」で塗装されたクルマを出展した。

ボディーショップとして出展した優流は後部を和室に改造したバモスを出展。無骨なイメージと昭和レトロなかわいらしさのギャップを演出した。和室のちゃぶ台や奥にある箪笥も手作り。フロントはラバーディップの「スプレーペイントプロテクションフィルム」で保護した。

ラバーディップ専門店のピログレスはスカイブルーとホワイトにあしらったポルシェパナメーラを披露。ボディにはメヘンディという技法で描かれた絵に動物をさりげなくいれるという遊び心あふれる作品に仕上げた。「フロントには太陽、リアには月と部位によってさまざまなテーマを設定して絵を描いている」(担当者)と説明した。

カスタムカーショップのROHANはシボレーのインパラを出展。金属を磨いたように光るオリジナルのメタル塗料で塗装を施した。更にエングレービングと呼ばれる凹凸を出す彫刻技法を使い、ラッピングではできない職人技で来場者の注目を集めた。