工業用ディーラーのウチダ(本社・大阪府、社長・手嶋律夫氏)は、ドイツのめっき薬品メーカー・ドクターヘッセと販売契約を締結し、国内での展開を始める。

ドクターヘッセは、1890年に創立した表面処理薬品及び設備の開発、販売を軸に欧州、北米、南米、中東、アジアなどに拠点を持つグローバルメーカー。研究開発及び生産はドイツ本社のみで行い、使用原料の100%管理や合成物は自社原料を使うなど、こだわりのある老舗メーカーとして知られている。

製品ラインアップとしては、前処理(電解脱脂、ピックリング)から装飾仕様(酸性銅めっき、クロムめっき、樹脂めっきなど)、機能皮膜(無電解ニッケルめっき、硬質クロムめっきなど)、防錆剤(アルカリ亜鉛めっき、化成処理、シーラー)など豊富な品揃えが特徴。欧米系、日系、中国系の自動車メーカーに納入する他、サッシ(窓枠)向けなど幅広い業種に採用実績を有している。

米・バルクケミカルズや香港・ウィンスターなど海外の化成品の扱いを積極化しているウチダとしては、ドクターヘッセのめっき薬品の国内展開を図ることで、前処理、塗装を加えたワンストップサービスが強化できるとの考え。手嶋社長は「これまで塗装とめっきは別の業界との位置づけだったが、双方を融合したソリューションを提案することで、生産性向上や品質向上を図ることができる」と説明。現在、試験機器の導入やIoT化を見据えた電子制御技術の構築の準備を進めており、工業ディーラーとして新たなサービス展開を目指している。