関西ペイントは6月下旬、神奈川県平塚市の同社開発センターで自動車市場向けグローバルカラートレンドを予測した「グローバルアドバンスカラー2019」を発表した。同社のグローバルネットワークで収集・分析した各国の最新動向や生活者の嗜好を反映させたテーマ色について説明した。

C&D研究所の藤枝宗氏は「今までは我々があまり表に立つことはなかったが、近年は情報発信が重要だと考えている。魅力あるカラーを自ら積極的に提案し、カラートレンドをつくっていき、素敵な色の自動車であふれるようにしていきたい」と述べた。

今期のカラーコンセプトは「Self-centric(自己中心的に生きることが可能になる時代)」とした。また、カラーコンセプトに基づいて「Micronization」「TimeTravel」「Natural」の3テーマ、18色を選定。そのテーマの中から特にお奨めのリコメンドカラー「Formtex grey(フォルムテックグレー)」「Mars(火星)」「Anthocyanin(アントシアニン)」を挙げた。

1つ目のグレーメタリックの「Formtex grey(フォルムテックグレー)」は自動車形状における色の見え方の研究から生まれた。モーターショーなどで出展されるコンセプトカーは滑らかな形状のものが比較的多いことから、次世代の自動車をより美しく見せることを目指した。曲線が多く滑らかな面変化をもつ形状にメリハリと力強さを与えることができる。

2つ目の「Mars(火星)」にはダークブラウン色を採用。同社オリジナルの遮熱技術「ICELAY」を使用しており、中塗りとダークカラーベースの組み合わせで赤外線域を多く反射し車体の表面温度の上昇を軽減する。

3つ目の鮮やかなマゼンタ色の「Anthocyanin(アントシアニン)」は鮮やかさと立体感のバランスを両立させたカラー。同社では自動車外板色に使用されているマゼンタ領域から、更にハイライトの明るさと鮮やかさ、シェードの鮮やかさを高くした新たなカラーとして提案した。

カラーデザイナーの小野都美氏は「世界的なカラートレンド分析に加え、当社の塗色、機能性などの技術を駆使して1色1色丁寧に、高度に作りこんでいきたい。カーメーカーでも採用しやすい提案も行っていく」と同社の存在感を高めていく考え。