板金塗装や自動車販売などを行うくるま工房笠間(茨城県笠間市、島内良二社長)は今年から新たにカスタムブランドを設立。「LOCO INFECTION(ロコインフェクション)」として始動した。外装のカスタムペイントやホイールの取り換え、オーディオなどの内装をカスタムした自動車の販売に注力していく。

同社は、板金塗装工場として2009年に設立。その後、自動車整備、自動車の販売や保険と修理以外のカーサービスの展開にも注力している。2016年には塗ってはがせる塗料「ラバーディップ」の認定ショップとして登録。カスタム需要の取り込みも行ってきた。

今回、カスタムブランド「ロコインフェクション」として自社で販売する自動車をカスタムし「コンプリートカー」として販売することで、自社で販売する自動車の高付加価値化を図っていく。外装ペイントを担当する秋山宣宏氏は「くるま工房笠間は板金塗装というイメージが定着している。今回新しいチャンネルで発信していくことで、カスタムペイントの認知を高められると考えています。我々にとっても新ブランドを構えることで刺激にもなる」とブランド設立の狙いを話す。

新車購入時にカスタムを施すコンプリートカーはオーナーが自分好みにアレンジできる魅力の他、金銭的なメリットもある。それが自動車購入時のローンだ。新車にカスタムを施すことで、自動車以外のパーツや工賃なども新車購入時のローンが適応される。金利は3~5%ほど。一方自動車を購入してから新たにカスタムでのローンを組む場合10%を超える場合もあるという。内装、受注業務を担当する畑山駿介氏は「回数にもよるものの、総支払い額で比較すると10万円近く変わる。それ以外にも新車購入後のカスタムは一度お預かりし、取りにきてもらう手間もある。カスタムをするなら新車購入時に行うことをお勧めしています」とカスタマイズの魅力とともに金銭的なメリットを強みに提案を行う。

現在、ロコインフェクションとして月に10件ほど受注している状況。今年1月に開催されたカスタムカーの祭典「東京オートサロン2020」ではラバーディップでオールペンしたスズキエブリィを出展。また、くるま工房笠間として出店した地元のショッピングモールでの即売会に展示するなど、周知活動も積極的に行っている。

「当面はイベントで反応を見て、より魅力を訴求できる方法を模索していく。ラバーディップなどを駆使しながらカスタムの魅力を広く伝えていき、いずれはカスタム事業が一つの柱となるよう全力を尽くしていく」とカスタム需要を取り込んでいく考え。