塗料ディーラーのウチダ(本社・大阪府八尾市、社長・手嶋律夫氏)は、めっき皮膜と塗膜との密着性、耐食性を向上させる化成処理システムを開発した。3月11日に大阪で開催された「表面処理加工技術展」に出展し、自動車分野及び金属製品分野など幅広い分野での採用を狙う。

同システムは、六価クロム及び三価クロムの上にクリヤー塗料が施されるメッキ部材に着目したもので、密着性の向上に寄与するのが特長。クロムメッキ処理の後、シランカップリング系塗装前処理剤「E-CLSP1700」(バルクケミカルズ製)を化成処理に加えることで、塗料との密着性及び耐食性の向上を得ることができる。

従来、光輝感を生かしつつ、耐久性付与と表面保護を目的とするメッキ部材のクリヤー塗装は、チッピング性など密着性に課題を残しているという。「そのためにプライマーを入れるケースが一般的だが、コストがかさみ一部の用途に限られている」(担当者)と説明。クロム化成処理後に要する最終水洗槽を「E-CLSP1700」槽に活用できる利便性もアピールポイントに据える。

「E-CLSP1700」は、マルチメタルに対応し、金属、アルミの他、ステンレスにも適用。「基材に濡れ性があることが条件になるが、加飾ステンレス向けとしても採用が出ている」と塗装前処理としての普及に期待する。

この他、リン酸亜鉛処理から電着塗装が施される部材向けに亜鉛ニッケルめっきによる工程短縮システムを提案。

同社が輸入販売を手がけるドイツのDr.Hesse(ドクターヘッセ)の技術を活用し、亜鉛ニッケルめっき工程から乾燥工程をなくし、そのまま電着塗装ができる特長を有する。電着塗膜の耐食性向上及びウェットオンウェットによる省工程化を実現する。