中国塗料と日本ペイントマリンは10月に愛媛県今治市で開催予定の国際海事展・バリシップの前に、オンラインで事前プレゼンテーションを行った。

中国塗料は今後の外航船舶に求められる船底塗料の課題として「低環境負荷を追求しつつ、更なる低燃費化に貢献する船底防汚塗料が必要」とし、船舶の低燃費化に貢献する最新製品として「SEAFLO NEO CF PREMIUM」を紹介。同品は亜酸化銅フリーの船底防汚塗料で、薬学分野から応用した新規防汚剤「selektope(セレクトープ)」を採用。ごく微量で船体に付着するフジツボに対し高い効力を発揮する。また、塗膜表面の更なる平滑化に成功しており、船体抵抗を減らし、運航中の摩擦抵抗による燃費低減に貢献する。

その他、新たに平底用防汚塗料「SEAFLO NEO M1 PLUS」を開発。同品は加水分解ポリマーとselektope、亜酸化銅を独自の技術で組み合わせ製品化し、耐フジツボ性、塗膜の平滑化による燃費低減、低VOC化を実現した。「昨今の気候変動により海洋生物が活性化しており、本来汚損リスクが低いとされていた船底平底部でも汚損リスクが高まっている」(担当者)と製品開発の背景を説明した。

日本ペイントマリンは今年1月に発売した親水疎水ナノドメイン加水分解型塗料「FASTAR」をプレゼンした。

同品は「もっと速く、もっとクリーンに」をコンセプトに船速の維持向上、低膜厚仕様による塗装工程のスピードアップ、防汚剤の溶出を抑えることを目的として開発された。加水分解型の樹脂に親水部と疎水部が併存するドメイン構造を持ち、その大きさをナノレベルにまで小さくすることで防汚材の溶出をコントロールできる「親水疎水ナノドメイン構造」を採用。防汚剤溶出を最大50%軽減した他、塗装工程工数を37%軽減、8%の燃費低減効果がある。

一般外航船用「FASTAR Ⅰ」、特定海域外航船用「同 II」、一般外航船低燃費型「同 XI」、激しい生物汚損が予想される海域向けの特定海域外航船低燃費型「同 XII」の4種類を揃えた。

同社では「船社、造船所のESG経営にも大きく貢献できると考えている」とプレゼンテーションを締めた。