ベンジャミンムーア(B.M.ペイント)のショップが札幌ブランドショップとして北海道・札幌にオープンした。全国12店目の出店となる。これまでのショップとは異なり、初めて1棟丸ごとでの出店となった。「新しい一歩になる」(ベンジャミンムーアジャパン担当者)と意気込む。

ロケーションは円山公園に隣接する高級住宅地の一角で、道路から10mほど奥まった場所。元々ベーカリーだった店舗をペイントショップにリニューアルした。木々の中に佇む北欧風の瀟洒な建物はオシャレなペンションのよう。どこか外国にでも迷い込んだような佇まいだ。ベンジャミンムーアの赤いロゴ看板がペイントショップであることを教えてくれる。

ペイントで住空間を"魅せる"

一棟丸ごとショップは余裕のある6~7台の駐車スペースを確保、来店者はマイホームに帰るような導線に導かれ店内に入ると、そこにはベンジャミンムーア独特のカラーワールドが目に飛び込んでくる。

側面には色とりどりのカラーチップのラック、そのサイドに調色機を設置、反対側にはカウンターが設けられている。間接照明の効果で、現実感のない異次元の舞台のような雰囲気があり、インテリア空間がペイントであることの理由をビジュアルに強く訴えかける。

スペースは決して広くなく、客が4~5人入れば手狭になる。

バックヤードはストックスペースとワークショップスペース。注目したいのはワークショップスペースだ。天井が高く、実際の壁を長柄のローラーでペイントする作業が体験できる。壁面には塗装ツールをオブジェのようにディスプレイ、ペイント作業の魅力をさりげなく伝えている。

2階に上がると、2Kの間取りの空間が用意されており、来店者は生活空間とペイントとの関係性をイメージできる。リビングの壁には濃い目のイエロー、ブルー、ピンクなど6色の配色。窓の向こうに冬の白一色の世界や新緑の世界が季節によって広がり、室内の色との対比で住空間に躍動と感動が生まれる。

また、ベンジャミンムーアジャパンがアメリカの水まわりメーカーKOHLERとタイアップしている関係から、ベンジャミンムーア札幌ブランドショップでは、店内にサンプルを展示。アメリカ仕様のユニークなデザインのシンクが印象的で、アイキャッチのひとつのポイントとなっている。「日本にはない水まわりなので、関心を持たれる人も多いです。ライフスタイルをひと味変えるアイテムだと思います」(担当者)と説明する。

今後の展開は店の認知度アップに尽きる。市内のリフォームショーへの出展、地域でのポスティング活動などを予定。ソーシャルメディアでの広がりも狙っていく。色彩が生活を変え、生活に躍動感を生み、生活者自らが生活空間を創る時代を呼び込むための仕掛けだ。「これまでの展開にないチャレンジをして、生活と一体で文化をつくりだしていきたい」と担当者は期待を膨らませる。