「第55回JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2019」が8月29日から31日の3日間、幕張メッセで開催された。出展規模は前年並みの485社、1,139小間。来場者数は前年より約1万5,000人減の8万6,492名となった。品目別で出店者数が最も多かったのは、大工道具・工具の63社(214小間)。塗料・塗装用品からは塗料・左官材メーカー、資材など14社(67社)が出展した。DIY塗料のトレンドを探った。
塗料メーカーの顔ぶれは前回とほぼ変わらなかったものの、昨年小間数を縮小したニッペホームプロダクツに続き、カンペハピオが12小間から6小間に縮小。加えてここ数年喚起されたDIYブームの裾野を広げようと女性や子供を対象にしたワークショップも縮小傾向が見られるなど、DIY用塗料市場にも変化の兆しが見られている。
昨年、日塗工がまとめた塗料製造業実態調査によると、平成29年度の家庭用塗料の出荷数量は約3万トン、出荷金額は約214億円。数量ベースで4年連続、金額ベースでは2年連続の減少を記録。平成30年度、今年度も横ばい基調の見方を示しており、活況に見えるDIYブームも市場全体の成長に寄与するまでには至っていない。
そうした中、新たな成長領域として業界各社が指向するのがプロ需要及びセミプロ需要の取り込み。
昨年関西を襲った台風21号では、復旧作業を求める依頼が工事店に殺到。「結果的に工事業者が板金修理や塗装とさまざまな工事を請け負うようになった」(在阪塗料販売店)との指摘もある。自然災害がもたらした一例とは言え、今後は維持補修、リフォームを切り口に工事業者の多能工化が進んでいくことが予想される。
そこでホームセンターとしては、多能工化する工事店の材料調達の場としてのポジションを確立したい考え。既にサービス強化のため、調色機の導入を検討するホームセンターも出ており、塗料メーカーの製品展開にも変化を及ぼしている。