どう見てもそれと分かる初々しい姿。初めて袖を通した制服姿が、誇らしいやら恥ずかしいやら。先週は入学式帰りの子供たちを街でよく見かけた。各地で対面での入学式が再開し、この季節に見慣れた光景が4年ぶりに広がった▲さて、そのスクールはどんな入校式を迎えたのだろう。徳島県阿南市に県立南部テクノスクールという職業訓練校がある。今や全国で4校まで減った"塗装科"のある数少ない訓練校で、ここでは「カラーコーディネート塗装科」と称している▲令和3年に、それまでの「塗装技術科」から「カラーコーディネート塗装科」に再編。建築、自動車補修、工業の各塗装技能に加え、左官からラッピングフィルムまで幅広い技能を学ぶ。それら"塗る"と"貼る"仕事に共通するスキルとして"色彩"の科目も組み込み、仕上技能を総合的に学べる学科に再編した▲若者の技能職離れで入校者が減る中、「在校中にさまざまな技能に触れ、職業の選択肢を増やしてあげたい」(同科担任・光延紀一郎氏)との思いが再編の背景にあった。AIやロボット化がいくら進んでも、「人の手でしか出来ない仕事は必ず残る」(同)と、その魅力を伝える使命も帯びる▲先日、高校と中学を卒業したばかりのフレッシュな青年たちが同科の門を叩き、仕上技能の道に入った(K)