水谷ペイントは3月上旬、ワイム貸会議室お茶の水で「2025年販売店様・パートナー施工店様製品説明会」を開催した。同説明会は全国8カ所で実施している春の恒例行事で、東京会場には過去最多となる130名が参加した。

冒頭あいさつに立った水谷成彦社長は「戸建て塗り替えが厳しい状況にありますが、日本の美意識は海外と比べても高いものがあります。今は個人消費の落ち込みによって苦戦を強いられていますが、やがて塗り替え需要は戻っていくと見ています」と述べ、需要回復に期待を示した。

塗料原料から現場対応に至るまで塗料・塗装を深掘りした専門性に富んだ情報が聞けると塗装ユーザーからの評価が高い同社の製品説明会。今回は、「ナノコンポジットW」発売20周年の話題を織り交ぜつつ、「ナノテクシリーズ」の事例紹介、リフォーム市場のトレンドとなっているオール水系、省工程仕様、無機系塗料の動向と製品展開について紹介した。

中でも無機系塗料については、昨年で発売20周年を迎えた「ナノコンポジットW」の先駆性と優位性を訴求する。「ナノサイズの無機成分をラジカル制御型シリコン樹脂で内包したナノコンポジットエマルションは、市場で活況を呈している無機・有機ハイブリッド型塗料そのもの」と説明。超低汚染性、難燃性、耐候性、速乾性、防カビ・防藻性を付与したつや消し高耐久性塗料としてのパフォーマンスの高さを改めて訴求した。

今夏には「ナノコンポジットW」「同ナノコンポジットF」に続く、「ナノコンポジットMUKI」を最上位グレード品として投入する計画を示した。

一方、屋根用塗料においては、オール水系仕様の導入をアピール。サプライチェーン全体で脱炭素化に取り組む産業界の動向を通じ、「屋根塗装においても水系塗料のニーズが高まっていく」と水系採用に協力を求めた。

屋根用水系塗料においては、付着性や耐候性に対して不安を抱える塗装ユーザーが少なくないが「当社は1980年から半世紀近く水系塗料の実績があり、付着性、耐候性に対する課題を克服している」と強調。下塗り塗料「水性ハイエポンⅢ」をはじめ、「下塗りの選定で金属基材、窯業系基材問わずオール水系仕様が組める」と伝えた。

この日は参加者に対し「屋根用塗料施工マニュアル」を配布した他、4月から埼玉工場で設備増強を進めてきた調色機を本運用すると発表。注文調色数の拡充に寄与する施策で「ナノウォールシリーズ」「ナノシリコンW」「ナノコンポジットシリーズ」においては、11時半までの注文に対し、当日出荷に対応する。