今週号の4面にあるように、「壁画」の話題を記事にすることが以前に比べて増えている。塗料メーカーや販売店が壁画の制作に塗料を提供した話題、壁画の専用塗料が発売されたニュースなど、壁画に関する記事を書くことが多くなった▲建物や施設の壁に施された壁画は、海外では「ミューラルアート」として市民権を得ている。街の景観への効果だけでなく、政治や宗教などのメッセージ性を持たせたアートとしてミューラル(壁画)が定着。街に文化的な奥行きをもたらし、豊かさを育んでいる▲そうしたミューラルアートの土壌が、国内でも育っていそうだ。最近街中を歩いていて、壁画を見かけることが増えてきた▲出張で出かけた地方の街の民家や商店の壁、都市部でも壁画によるアートストリートづくりが盛んになるなど、地域ぐるみや自治体レベルで壁画が浸透してきた。街や通りの文化度もずいぶん上がっているように感じる▲ちなみに、壁に描いた絵がミューラルアートになるか、単なる落書きかはその建物の所有者の許諾の有無だそうだ。そういった意味でも、壁画への理解が進んでいることが分かる▲そして、そのアート的な営みに欠かせないのが「塗料」。経済が成熟し、文化的な奥行きを求める社会との格好の接点でもある。繋がらない手はない(K)