日本塗装工業会は2月15日、横浜市の会場で「けんせつ女子ビューティーセミナー」を開催した。建設業、塗装業において女性の活躍を応援する企画として4年前にスタート。今回は東京・神奈川ブロックを対象に開催し、塗装会社の従業員や建設業を志望する学生など43名の女性が参加した。

この活動を始める契機となったのが、日塗装が会員に対して毎年行っている経営実態調査のデータだ。4年ほど前の同調査によると、全国の会員会社には約700名の女性直用工が在籍している事実があった。男性社会と言われ、女性入職希望者の少ない塗装業界。そこで働いている女性の意見を聞くことが業界の人材不足解消のヒントになるとの思いからこのセミナーを企画した。

4年前に四国ブロック・愛媛での開催を皮切りに、今回の東京・神奈川ブロックで9回目の開催。資生堂ジャパンによるスキンケアの実践テクニックや「自分らしいキャリアの考え方」に関する講座、経営後継者と女性技能者のパネルディスカッションや参加者同士のグループディスカッションなどが行われた。

このうち、「女性活躍推進と自分らしいキャリアの考え方」の講師を務めたのは、wiwiw契約講師の田中昌枝さん。

田中さんは、将来自身がありたい姿や状態を指すキャリアビジョンについて、「Will(やりたいこと)と、Can(できること)と、Must(すべきこと)の3つの輪が重なった部分が、自身のモチベーションと成果が最大化するゾーン」と話し、参加者それぞれのありたい姿(Will)や能力・スキル(Can)、周囲から求められる役割(Must)のグループディスカッションに誘導、参加者同士で"気づき"を共有できる講座を行った。

また、パネルディスカッションでは長谷川塗装工業所(神奈川)の経営後継者・長谷川藍子さんと佐藤興業(東京)の技能者・浅津星亜さんが登壇。 

飲食業から家業の経営後継者へとキャリアチェンジした長谷川さんは、まわりとのコミュニケーションを大切にして仕事に向き合っている話を披露。また、技能者として全国建築塗装技能競技大会で入賞経験があり、今年も東京代表として出場予定の浅津さんは、塗装という仕事のやりがいや達成感の話を展開。建設業志望で参加していた女性の学生は、「お二人の話から建設業で活躍している女性の姿が垣間見え、とても有意義な経験ができました」とコメントを寄せていた。