厳しい暑さは続いているものの、猛暑のピークは過ぎたと実感する。毎年のことだが、今年の酷暑も厳しかった。ふと周りを見渡すと、一昔前とは街の人たちの様子が変わっていることが分かる▲定番である日傘は女性だけのモノではなく、男性が日傘をさす姿も見られる。ハンディファンも今や定番と言えるほど普及し、ネッククーラーはアイスタイプに加えて電動ファンタイプもよく見かける。空調服はかつて工事作業者で見られていたが、今は配達員や警備員などにも広がり、更には普段着としている人もいる▲全国的に記録的な暑さが続く現代の夏では猛暑が"ニューノーマル(新しい状態)"と言え、それに対応する形で猛暑対策アイテムの市場が急拡大している▲先日、日産自動車は塗装で車体を冷やす"放射冷却塗装"技術を発表した。簡潔に言うと、遮熱機能に加えて電磁波を放射することで熱を外に放出する働きがあるというもの。快適な車内環境の実現に向け実用化を目指す▲一方で、遮熱塗料の出荷推移をみると2014年までは右肩上がりで伸長していたが、それ以降は横ばい、もしくは若干の増加にとどまる。ただ、猛暑対策ニーズを考えると成長の余地はありそうだ。建物や工業品だけでなく、身近なところでも活躍の場が生まれることを期待したい(T)