投げ出されたランドセル。制服やぬいぐるみ。読みかけの漫画や洗濯物や買い物袋・・・部屋の中に置かれた雑多なものを自然と受け止め、魅力的な空間に変えてくれるのが「強く鮮やかな色」だという。建築家の西久保毅人氏(ニコ設計室)の著書「家づくりのつぼノート」(エクスナレッジ)にある▲先日、その西久保氏がインタビューに応じてくれた。これまで設計したほぼすべての住宅で、内装にたくさんの強い色を使っている。理由は、「強い色には、暮らしの中の雑多なものを包み込んでカッコよく見せる包容力と、汚れや傷を味わいに変える力があるから」だと▲反対に、日本の住宅の内装で多い白い壁は、「純粋や清潔、完璧を連想させる"白"との対比で雑多なものたちが浮いてしまい、悪目立ちする」とも。なるほど、白っぽいビニールクロスの日本の内装シーンが素敵に見えない原因はそこかと、合点がいった▲西久保氏も多用しているように、「色」といえば塗料の出番。暮らしの中の雑多なものを素敵に見せ、壁についた汚れや傷も優化させる色の力▲ただ、強い色には、その使い方にちょっとしたコツがある。塗料の内装需要創出のヒントにもなりそうなそのテクニック。次号「いい色の日特集」の西久保氏のインタビュー記事で解き明かします(K)