東京証券取引所の市場再編に伴い、塗料関連上場企業においても一次判定結果を受け、昨年末までに選択申請を済ませた。

再編の内容は、これまで1部、2部、マザーズ、ジャスダックスタンダード、ジャスダックグロースの5市場を今年4月4日から「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に区分するというもの。それぞれ上場維持基準として、流動性や経営成績、コーポレートガバナンスへの対応が定められている。

今回、塗料関連企業でプライムを選択したのは、アネスト岩田、関西ペイント、大日本塗料、中国塗料、日本特殊塗料、日本ペイントホールディングス、藤倉化成の7社。その他12社は「スタンダード」を選択した。

東証上場企業全体で見ると、全3,777社の内「プライム」を選択したのは1841社、「スタンダード」は1,477社、「グロース」は459社となった。

今回の新市場区分への移行は、①各市場区分のコンセプトが曖昧で、多くの投資者にとって利便性が悪い②上場会社の持続的な企業価値向上の動機付けが十分にできていないなど従前の課題を改善し、株式市場の活性化を目的としている。

特に「プライム」においては、株主数800人以上、流通株式数2万単位以上、流通株式時価総額100億円以上、平均売買代金0.2億円以上、流通株式比率35%以上など、厳格な上場維持基準が設けられ、企業価値向上の取り組みを促す狙いがある。

今後の予定は、4月4日に各社の市場選択に基づき、一斉に新市場区分に移行する。なお、新市場区分の上場維持基準は4月期決算会社から適用を開始するとしている。