第7回「塗料・塗装設備展-コーティングジャパン-関西」が5月8日(水)~10日(金)の3日間、インテックス大阪で開催された。主催はRX Japanで日本塗料工業会が共催した。会場では機能性塗料や塗装機・設備、測定器など塗料・塗装に関する製品及び技術が紹介された。なお、同展は10月29日(火)~31日(木)に千葉・幕張メッセでも開催される。

今回、出展規模で目立っていたのが、大気社とアンデックスの設備メーカー。工業塗装現場で高まる脱炭素や省エネニーズに対して、最新の塗装設備から提案を行った。

大気社は「"塗る"から"貼る"へ生産技術革新によるCO2削減」を掲げ、フィルム加飾自動化ラインの提案を行った。塗装工程とは異なり、ブースや空調、乾燥炉、廃棄処理設備、排水設備、塗料循環設備などの大規模設備が不要となるため、設備コストや設置スペースの低減が図れる。

出展スペースにはフィルム仕上げした自動車バンパーを展示。仕上げたフィルムは日本ペイント・オートモーティブコーティングス製と大日本印刷製の2タイプのカラーデザインを提案した。

一方、塗装関連でも注力製品を紹介。塗装ブースの風量を大幅低減できる塗装ブース「i-LAVB」や簡易補修方式の乾式塗装ブース「i-Dry Scrubber」(段ボールフィルタ式ブース)などを出展し、CO2削減や環境配慮といった市場ニーズに対応した製品を紹介した。

アンデックスは伸縮自在アコーディオン式の循環型加温・乾燥ブース「e-OVEN」や、脱脂作業空間の溶剤成分を除去できる装置「SOLVENT CLEANER」などを出展。「SOLVENT CLEANER」は川崎重工業との共同開発で、より安全な溶剤作業のための換気装置。局所排気装置としての応用も可能となっている。

塗料メーカーとして単独出展した関西ペイントは「サスティナブルな社会に貢献する関西ペイントの技術」をコンセプトに機能性材料を出展。発泡性ポリエーテル樹脂耐火被覆材「耐火テクト」や優れた防食性能を持つ次世代高性能下塗「ルビゴール」を紹介した。更に、微生物固定化担体で排水処理や環境浄化の効率化に寄与する「KPパール」などを紹介した。

関連団体としては日本塗料工業会や日本塗装機械工業会、コーティングコンソーシアムが共同出展し、ブース内でのパネル展示による会員企業の製品を紹介。また、日本塗料工業会は会員企業によるセミナーを実施。プログラム内容は「日本塗料工業会の取組み~日本の塗料工業2024」、「SHOWUPが展開する魅力満載の意匠性塗料の世界」(シグナル)、「当社のサスティナビリティへの貢献」(久保孝ペイント)、「光触媒の新しい利用法、カビの生えない(にくい)塗料、新しい水性2液型樹脂」(水谷ペイント)、「塗料・塗装業界とSDGs~コーティングコンソーシアム~」(日塗工)であった。

2日目の8日にはセミナー会場内にて交流懇親会を開催。日本塗料工業会の児島興志夫常務理事があいさつし、日本塗装機械工業会の内山貴識広報委員会の乾杯の発声で懇親に移った。その後、国際工業塗装高度化推進会議の高橋大副理事長の中締めで盛況裡に散会した。