日本ペイントホールディングスはオーストラリアの大手塗料メーカー・DuluxGroup(以下Dulux)を買収すると発表した。8月中旬に発行済株式の100%取得し子会社化する予定。買収金額は3,005億円(37億5,600万豪ドル)。

株式取得にあたってはオーストラリア会社法に基づく手続きによりDuluxの全株式を現金対価で取得する予定で4月17日にDuluxと合意した。ただDuluxの株主総会、オーストラリア裁判所、オーストラリア外国投資審査委員会、ニュージーランドにおける外国投資局それぞれの承認が必要となるため株式取得が実現できない可能性もあるという。買収資金については金融機関からの借入を想定しており、新株発行を伴う資金調達は予定していない。

日本ペイントホールディングスは「アジアで圧倒的ポジションを確立しグローバルに成長を加速する」方針を掲げ、安定した成長を誇るオーストラリア及びニュージーランド市場でトップシェアを誇るDuluxを買収することでアジア事業の内包リスクを分散し、事業基盤を更に強化できるとの考え。今買収の実現により、売上高ベースで安定成長型(日本、欧米、豪州・NZ)53%、高成長型(中国、その他アジア)47%の比率となり、「バランスの取れた地域ポートフォリオが確立できる」と説明する。

Duluxは、内外装塗料を中心にプライマー、ウッドステイン、コーキングなどを展開しており、建築用塗料分野においては、2位以下を大きく引き離し市場シェアを拡大し続けている。

今回の買収が実現すれば、日本ペイントHDの売上高約6,300億円(2018年12月期)と合わせて、約7,800億円の規模となり、売上高1兆円を超えるPPG、Sherwin-Williams、AkzoNobelのグローバルトップ3社との差を詰めることになる。

なお、アジアで流通しているDuluxブランドはアクゾノーベルのブランドで同社とは無関係。DuluxGroupが保有するDuluxブランドはANZ、パプアニューギニア、フィジー及びサモアにおいて商標権を所有としている。


[DuluxGroup概要]
所在地:オーストラリア・ビクトリア州△代表者:Patrick Houlihan氏△事業内容:ハイブランドの塗料・DIY用品の製造販売△資本金:約232億円(2億8,900万豪ドル)△設立年月日:2008年9月△売上(2018年9月期):約1,480億円(18億4,400万豪ドル)。