静岡県三島市の塗料販売店・堀江塗料(堀江博子社長)の危険物倉庫の壁に優しくモダンな壁画が施され、近隣の風景を和ませている。

これまで空き地だった同社の隣接地に住宅が建設されたことから、危険物倉庫を特定屋内貯蔵所にリニューアルする必要が生じた。その際、耐火被覆や自閉ドアへの変更などとともに「この機会に、業務用倉庫の無機質な壁面を近隣の方々に好感されるような趣に変えたい」(堀江社長)と壁画で彩ることに決めたもの。

実現に当たってはかねてから親交のあったフォーアーツデザインのヨザン弥江子さんに製作を依頼。同社のペイントアーティストがさまざまなテクニックを駆使して壁画を仕上げた。

ヨザンさんによると、「堀江社長は三島市の景観審議会の委員もされているので、市のシンボルであるせせらぎ、清流、カワセミのモチーフを取り込み三島の風景を優しくモダンに描きました。この絵が背景となって働くスタッフの方々が心地よく楽しい職場に映るように、特に近隣への景観的な配慮も考えて穏やかなイメージにしました」とコメント。

実際の作業では塗装の表現方法の豊かさを伝えるようにスポンジングやコーミング、ラギング、刷毛目など色の塗り分けごとにさまざまな技法を駆使して製作。「当社のお客様の仕事の価値が高まればと、塗装会社さんや職人さんでも再現できる技法であえて施工していただけました」とヨザンさんの細やかな心配りに堀江社長も嬉しそうな表情だ。

また材料も壁画用の特殊なペイントではなく、日本ペイントのパーフェクトトップを使用。塗装ユーザー目線での壁画製作にこだわった。

完成した壁画を前に堀江社長は、「色や柄、デザインを自由自在に表現できるのがペイントの魅力。フォーアーツさんが描いてくれた優しいタッチの壁画で近隣の風景が和み、ペイントへの理解や親近感が高まれば。近所の幼稚園に通う子供たちの『あ、鳥が飛んでいる』『雲が浮かんでいるよ』といった可愛い声に、こちらの心も和みます」と優しい表情を浮かべた。