日本ペイントホールディングスはトルコの塗料メーカー・Betek Boya ve Kimya Sanayi A.S.(Betek社)及びBetekグループ9社を買収すると発表した。6月中に完了する予定。

同社は4月にもオーストラリア・ニュージーランド市場でトップシェアを誇る大手塗料メーカー・Dulux Group の買収計画を発表しており、今回のBetek社買収においても「地域ナンバーワンシェアの獲得」という戦略を推し進めたいとの狙いがある。

グローバルでの事業地域バランスの観点においても、高成長地域(アジア・中国)と安定成長地域(日本、欧米、パシフィック)で一層の安定化を図ることを目的にしている。

Betek社は1988年に設立され、トルコの建築用塗料市場でシェアトップの約25%を有する塗料メーカーで、Filli BoyaとFaworiの2つのブランドで製品展開している。建築塗料だけでなく工業用と家具用の塗料も販売する。加えてETICS(断熱材)も手がけており、5ブランドで国内トップシェア(約30%)を有する。

トルコ国内に5工場、エジプトに1工場を持ち、従業員数は1,300人超。2018年12月期の売上高は約350億円(17億5,000万トルコリラ)、営業利益は約15億円(7,600万トルコリラ)。

日本ペイントホールディングスはトルコ市場について「人口増加、GDP成長が見込まれる魅力的な市場。建築塗料は改装市場の拡大が見込まれ高成長が期待される」との見方を示し、高い認知度を誇りブランド展開するBetek社を取り込むことで、事業基盤の強化を図る。

また、「これまでアジアの建築用塗料事業で培ったノウハウや事業リソースをBetek社に注入することにより、同社の成長スピードを加速することも可能である」とし、Nipseaを中心に日本ペイントホールディングスグループの協働による事業成長を目指す。