シリカを製造販売するドイツのエボニック・インダストリーズは易分散性に優れた「AEROSIL(アエロジル)」シリーズの新しいフュームドシリカ製品を開発した。塗料やコーティング剤に混錬製造する際に分散工程を省略することが可能となる。

新開発した易分散シリカは「AEROSIL E 805」「同812」「同972」「同9200」の4製品で、標準品と同様に顔料着色系及びクリヤーコーティング剤の配合におけるレオロジー制御に適している。主な用途は木工、プラスチック、自動車、一般工業用コーティング剤。

従来、フュームドシリカのようなレオロジー調整剤の分散工程は、複雑で時間のかかるものだった。塗料メーカーはシリカが配合物内で均一に分散され、レオロジー特性を最大限に発揮できるようにするために、ビーズミル(粉砕・分散機)を使用して長時間の分散工程を行う必要があった。

しかし、新製品を使用することで高エネルギーが必要なビーズミル分散工程が省略可能になる。「新しいシリカはディゾルバー分散機を使った1回の工程だけで分散可能」(同社)とし、特にクリヤー塗料の製造においてより効果が見られる。

添加剤の分散が容易になったことで、処理時間の短縮、生産時のエネルギー消費の低減、機械のメンテナンスや洗浄に必要な人手や資材の削減に寄与する。