塗料販売店に幼稚園バスが停まり、園児たちのにぎやかな声が聞こえてくる。栃木県日立市の塗料ディーラーの日興が企画したペイントを使った地域交流イベントのはじまりだ。

今回は市内の幼稚園児たちに塗料倉庫の外壁下面に絵を描いてもらうというイベント。「塗料倉庫が面している大通りは、地域の多くの人が利用している。道路沿いの壁を彩ることで、通る人たちが明るい気持ちになればと思い企画した。娘が通う幼稚園にペイントの話を持ち掛け話を進めていたが、コロナで1年近く延期になっていた。ここにきてようやく実現できた」(中山奨平専務)とイベントの経緯を説明する。

当日は、汚れないようカッパを着た園児たちが筆を使い塗料で思い思いの似顔絵を描いていく。塗料は関西ペイント販売が提供した。「赤色がいい」「できたー!」と園児たちの楽しそうな声が響く。「思った以上に絵に個性が出ていて面白い。倉庫も明るくなって見違えた。園児たちも一生懸命で、誰でも楽しく彩りを与えるペイントの魅力を改めて感じた」(中山専務)と話す。

同社ではペイントを身近に感じてもらおうと、ワークショップなどで地域の消費者との交流を進めてきた。しかしコロナの状況で人を集めることが難しかったため、今回は久々のイベントとなった。

「緊急事態宣言が明けて、地域との交流も少しずつやりやすくなっている。こういった地域の人との触れ合いは普段の仕事とは違う楽しみがある。また、社員にとって普段仕事では出会わない人との交流は刺激になる。今後も続けていく」(中山専務)と地域交流に意欲を示す。

今回倉庫に描いた絵にはクリヤー塗装を施し、1年間は保存する予定。その後はまたキャンパスとして利用してもらうことを想定しており、地域の学校に働きかけていく。