関西ペイントはアフリカ事業を行う子会社のKansai Plascon Africa Ltd.とKansai Plascon East Africaをオランダの大手塗料メーカー・アクゾノーベルに売却すると発表した。売却価格は4億5,000万ドル(約584億円)で、2023年中の完了を見込む。

譲渡資金は自己株式の取得と消却を通じた株主還元の原資に充てる。追加投資余力により、B to Bビジネスやインド・欧州などの注力分野へ積極的に再投資していく。

同社は昨年11月に発表した「 17 次中期経営計画」においてB to Bビジネス強化戦略を掲げており、7割以上をB to Cの建築塗料が占めるアフリカ事業の売却を決めた。

アフリカ事業は2015年度から6期連続で経常赤字が続いたが、2022年3月期で両社ともに単独で経常黒字を達成。約2,500人の従業員を擁し、売上高は約361億円、経常利益は14億円を計上した。

今回の売却で、関西ペイント(連結)の売上高は約4,200億円が約3,800億円に減少するものの、経常利益率は9.0%から9.4%に向上する見込み。

代表取締役副社長執行役員・経営推進部門長の高原茂季氏は「整理すべきB to C事業はほぼ完了した。アフリカという地域性を考えたときに日本からマネージメントする難しさを感じていた。ビジネス自体はうまくいくという手応えを感じてはいるものの、今後のアフリカの成長発展を考えたときに、我々の多くのリソースを投入するよりも我々の強みに特化すると判断した」と説明した。

なお、インドやトルコのB to C事業については堅調に推移しており、日本とのコラボの観点でも重要として継続する方針。

今回の子会社2社の売却によりアフリカ事業は「ほとんどのビジネスは一旦なくなる」(高原副社長)。なお、別の商流で自動車関連には継続して塗料提供を行っていく。